1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650072
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
多田 幸生 神戸大学, 工学部, 助教授 (70135812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶋 達也 神戸大学, 医学部, 助手 (80201680)
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Keywords | バイオメカニクス / 脳組織 / 脳脊髄液 / 圧密理論 / 粘弾性 / 有限要素法 / 脳浮腫 |
Research Abstract |
[粘弾性モデル] (1)脳組織の粘弾性体としての材料特性を知るために,in vivoにおける種々の条件でratの脳の圧縮試験を行ない,クリ-プ曲線を求めた。(2)Voigtモデルに基づいて粘弾性有限要素モデルを作成し,実験により得られたクリ-プ曲線と比較することによって脳の弾性系数,粘性系数の同定を行った. (3)in vivoにおける脳の見かけの材料特性には,血管系の寄与が大きく,血管の状態,血圧の変動によって,クリ-プ曲線に変化が見られた. (4)粘弾性有限要素法によってシミュレ-ションを繰反し行い,動物実験を再現する諸係数を求めると,既に発表されている値に近い数値が得られたが,結果にはポアソン比や境界条件の影響が認められた. [圧密モデル] (1)線形圧密理論に基づいた圧密有限要素モデルによって,種々の境界条件・初期条件に対してシミュレ-ションを行った.(2)脳浮腫を想定し,患部の間隙圧と脳室圧・脳表圧を種々変化させてシミュレ-ションを行ない,脳脊髄液の間隙圧,流れ方向および流量を調べた. (3)圧密モデルによる応答として,過渡期での脳内部での間隙圧の上昇が観察された. (4)部位に依存した透水係数などの設定によって,間隙圧の高い脳浮腫の部分から白質部を通過する流れが得られた.これはMRIによる観察と一致するものである.しかし,正確な流量を評価するにはより正確な材料特性の把握が必要である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yukio Tada: "Modeling of Hydrocephalus by Finite Element Method (Consolidation Model)" Abstracts of the First World Congress of Biomechanics,La Jolla,USA. II. 106 (1990)
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[Publications] Tatsuya Nagashima,他: "Biomechanical Analysis of Hydrocephalus by Different Physical Models" Abstract Book of International symposium on Hydrocephalus Kobe,Japan. 76 (1990)
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[Publications] 多田 幸生,他: "脳組織内の脳脊髄液流れの解析" 第40回応用力学連合講演会講演予稿集. 87-88 (1990)
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[Publications] 多田 幸生,他: "脳のバイオメカニクス;脳脊髄液流れのモデル化" 日本機械学会関西支部 第66期定時総会講演会. (1991)
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[Publications] Seiji Hamano,Nagashima,Tada,他: "A Finite Element Analysis of Intracerebral Stress Distribution with Viscoelastic Model" Eighth International Symposium on Intracranial Pressure “ICP and Craniospinal Dynamics",Rotterdam,The Netherlands. (1991)
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[Publications] Yukio Tada,他: "Modeling and Simulation of Brain Lesion by Finite Element Method" World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering,Kyoto,Japan. (1991)