1990 Fiscal Year Annual Research Report
境界要素法における離散化誤差の自動修正解析システム
Project/Area Number |
02650076
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木須 博行 長崎大学, 工学部, 教授 (30153084)
|
Keywords | Boundary Element Method / Numerical Analysis / Computational Mechanics / Error Estimation |
Research Abstract |
本研究では境界要素法における誤差を,1.数値積分誤差,2.形状補間誤差,3.離散化誤差の3つに分ける.既知の関数を取り扱える1と2の誤差評価は比較的簡単であるが,離散化誤差は未知関数(正しい値が不明)を対象とするという意味で誤差評価がきわめて困難である.本研究はこの離散化誤差を対象とし,その誤差の見積りとそれをもとに自動修正しながら解析をすすめる方法の開発を目的とする. 本年度は,解析結果から離散化誤差を間接的に見積るための独自の方法を2種類新たに開発し,この手法を組み込んだ自動誤差修正システムのアルゴリズムを検討した.これにより以下のような事柄が明らかになり,次年度への研究へ引き継がれる. 1.離散化誤差を見積るための2つの方法の1つは予期したような結果を与え実用上の方法としてきわめて有望であることが分かった. 2.他の1つの方法は時間的な点で実用化が困難なことが分かった. 3.最近提案された,要素の中間節点を移動させて解の変動を調べる方法は,解が収束していない段階では非常に時間がかかって実用的でなく,せいぜい収束したことの解認にしか使えそうにないことが分かった. 4.何度か繰り返し計算が必要となるが,その際はすでに開発済みである1度計算したマトリクスをそのまま利用する方法が有効であることが分かった. このように,本年度で予備的な理論研究と基本的なアルゴリズムがほぼ完成したので,次年度はそれを引き継ぎ,実際に自動誤差修正解析システムを完成させる見通しが得られた.
|