1990 Fiscal Year Annual Research Report
磁気研磨法によるファインセラミックスの高能率・高精度鏡面加工に関する研究
Project/Area Number |
02650084
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
進村 武男 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (30008049)
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Keywords | 磁気研磨 / ファインセラミックス / 磁性砥粒 / 平面研磨 / 表面粗さ / 加工能率 / 無電解めっき法 / 電解めっき法 |
Research Abstract |
精密機械部品用アルミナファインセラミックスを高能率・高精度で磁気研磨加工できるダイヤモンド磁性砥粒の製作を主な研究目的とし,似下の成果を得た.(1)電解ニッケルめっき法および無電解ニッケルめっき法により各種のダイヤ磁性砥粒を大学の実験室で製作する技術を確立することができた.(2)めっき法以外の制作法についても検討し,鉄粒子とダイヤ粒子の2成分にバインダ-成分を加えて化学的結合法によるダイヤ磁性砥粒の製作技術を外部機関に依頼し,これを実現した.(3)上記の手法で制作した磁性砥粒自体の粒径は,鋳鉄(球形)の場合は80,150,300,550μm,不定形電解鉄粉の場合は160,320,700μmであり,その表面に分散固着したダイヤ砥粒の粒径は2/4,8/16μmである.(4)平面磁気研磨装置を用いて研磨実験し,新しく製作したダイヤ磁性砥粒の種類および加工距離が研磨量と表面粗さに及ぼす影響を明らかにした.その結果,ダイヤ径2/4μmの磁性砥粒について0.2μmRmax の平滑面が得られるが8/16μmのダイヤ径では1.5μmRmax程度の粗面になること,逆に,研磨量はダイヤ粒子径が増大するにつれて大きくなることがわかった.一方,磁性砥粒自体の粒径の影響はダイヤ粒子径の影響に比べて小さいことを明らかにした.また,磁性砥粒の製作法の違いによっても研磨性能が著しく異なること,磁性砥粒に攪拌作用を与えれば研磨寿命は実用に供し得るまでになることを明らかにできた.(5)平面磁気研磨の基本的な加工特性を実験的に調べ,加工機構についても考察を加えた.(6)ラッピング法と磁気研磨法の加工能率,表面仕上げ品質を比較検討し,磁気研磨法の特徴をまとめた.(7)1年間の研究成果をまとめ,その一部を学会発表し(4編),研究論文を投稿した(1編).なお,円筒磁気研磨実験,実用に供し得る加工デ-タファイルの作成,セラミックス表面の性状(Surface Integrity)などの検討は平成3年度の研究課題とした.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 進村 武男: "永久磁石を利用した磁気研磨装置の開発に関する研究" 1990年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集,講演番号 I00. 301-302 (1990)
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[Publications] 進村 武男: "平面磁気研磨法の研究" 日本機械学会東北支部第26期聡会・講演会講演論文集,講演番号 308. (1991)
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[Publications] 進村 武男: "磁気研磨法による非磁性円管内面の平滑加工に関する研究" 1991年度精密工学会春季大学学術講演会講演論文集,講演番号 MO1. (1991)
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[Publications] 進村 武男: "磁気研磨法によるファインセラミックスの平滑加工に関する研究(第1報)ーダイヤモンド磁性砥粒の開発とその研磨性能" 精密工学会誌. 6