1990 Fiscal Year Annual Research Report
CFRPの超音波振動切削における工具の摩耗損傷形態
Project/Area Number |
02650085
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
飯島 昇 東京農工大学, 工学部, 助手 (30015036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 正臣 東京農工大学, 工学部, 教授 (90108217)
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Keywords | CFRP / 超音波振動切削 / 工具損傷 / 仕上げ面粗さ / 工具寿命 / 超硬合金工具 / ばり / 切削油剤 |
Research Abstract |
CFRPが宏汎な分野で用いられるに従って、切削加工に対するニ-ズも非常に多くなって来ている。しかし通常の切削加工では、仕上げ面に剥離、ばり、などが生じ加工精度を著しく低下させるばかりでなく損傷や事故の原因となることが多い。そこで、本研究はCFRPの仕上げ面品位の改善の手法として振動切削を適用し、基礎的なデ-タを得ることを目的にした。なお本実験に供した工具は超硬工具K10とM20及びサ-メット工具であり、以下に得られた結論の概要を示す。 1 供試工具のすべてにおいて、加工面粗さは通常の切削に比べ振動切削の方が良好である。 2 CFRPの加工面品位の改善に、水溶性切削油剤の効果はほとんど認められない。 3 工具寿命は、供試工具全てにおいて、振動切削よりも通常切削の方が長く、また切削速度の低下に従いその差が大きくなる。 4 硬さが同じ超硬合金工具K10とサ-メット工具では、切削方法に関係なくK10の方が工具寿命が長い。 5 通常および振動切削において、供試工具の寿命は水溶性切削油剤の使用により延びるが、エマルジョンタイプとソリュ-ブルタイプとの差異はほとんど認められない。 6 CFRPの切削における工具の損傷は、金属の切削の場合とは明かに異なり、欠損、剥離およびクレ-タ摩耗などはほとんど見られず、切り刃稜は丸みを帯びた損耗となっている。この損傷状態は乾式、湿式および通常や振動などの切削方法の違い、そして切削条件などに関係なく生じている。これは、CFRPが供試工具との親和性が極めて少ない上に、硬くて強靭な炭素強化繊維による激しいアブレシ-ブ作用に起因する工具の損耗と考えられる。
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Research Products
(1 results)