1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650094
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
堀内 宰 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20029185)
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Keywords | 超精密加工 / 研削砥石 / 砥石製作法 / 硬脆材料 |
Research Abstract |
本研究の目的は,現在の超精密研削加工で最大のネックになっている砥石の形状誤差および切れ刃高さ不揃いの問題を解決するために,新しい着想からなる超精密形状の砥石の製作法を確立し,それを用いて硬脆材料の超精密研削を行って,その性能を明らかにすることであった. 超精密エアスピンドルを購入し研削ヘッドとして使用した。このエアスピンドルの半径方向の回転精度を測定したところ,再現性成分が0.1〜0.2μm,非再現性成分が約10nmであった. これを用いて超精密研削砥石を作成した。最初の予備実験では,砥粒としてA系砥粒#800,#3000,#8000のものを用い,結合剤としてエポキン系接着剤を用いた.砥石作成後,砥石外周の振れ回りを測定したところ,ほとんどの場合,約20nm以内になっていた.したがって,上述のエアスピンドルの非再現性成分回転誤差も勘案して,砥粒切れ刃高さのばらつきが約30nm以内におさまっていたと考えられる.これを用いて光学ガラスの平面研削加工を行ったところ,#800の砥石では仕上面に若干のひっかき傷が残存し肉眼でも少し曇って見えたが,#3000,#8000の砥石では光学的鏡面が得られた.しかし,この砥石の寿命は短かく,実用に供するには難かしいと思われた. つぎに,砥粒をダイヤモンド砥粒#3000を用いて,同様の実験を行った.その結果,光学的鏡面が得られ,砥石寿命も格段に向上した.しかし,仕上面を微分干渉顕微鏡で観察すると,微小ながらひっかき傷が残っており,これが加工機の運動誤差によって生じた,砥石工作物間実干渉量の変動が過大であったためと推察された.
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