1990 Fiscal Year Annual Research Report
自己燃焼と焼結によるTiAl金属間化合物の生成と最終形状機械部品の製作
Project/Area Number |
02650098
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒木 英憲 広島大学, 工学部, 教授 (80037853)
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Keywords | 自己燃焼 / 反応焼結 / 金属間化合物 / チタン / アルミニウム / 粉末 / 膨張率 |
Research Abstract |
大気中で酸化しやすいチタン粉の代わりに安定性の高い水素化チタン粉(-325meshまたは-100mesh)を用い、それを噴霧アルミニウム粉(3μmまたは32μm)と等モル比に混合して10mm×10mmの金型で高さ10mmに加圧成形した。その際、試料の高密度化を目指し、圧力は粉末成形では高圧に当たる800MPaで一定とした。 1・焼結時の加熱中に起こる化合物生成は、示差熱分析の発熱ピ-ク前から始まり、ピ-ク後にはかなり進んでいた。 2・発熱ピ-ク時に、アルミニウムが溶融することによる焼結密度の減少及び開放気孔率の増加が急激に起こり、その後は温度上昇と共に焼結密度の増加及び開放気孔率の減少が緩やかに起こった。 3・反応が起こる温度域(873Kから1173K)の加熱速度によって比較すれば、それが遅い方(例えば5K/min)が膨張率は低く、密度は高くなる。そこで、当該温度域以外の低温や高温では速やかに加熱し(例えば20K/min)、総処理時間の短縮を実現した。 4・上記のような加熱プログラムで、粉末の組合せと反応温度域の加熱速度とを変えて多くの熱膨張試験を行った。その結果、全ての場合に共通する傾向として、成形加圧方向の寸法が直角方向よりも、反応直後に大きく膨張しており、また焼結進行にともなう収縮も成形加圧方向の方が大きいことを見いだした。 5・1373Kで60min保持することによって緻密化と均質化が進んだが、1703Kで60min保持すると緻密化は引続き進むものの、酸化物を若干含む組織になった。これはEPMAの代わりにX線回折装置によって確かめた。 6・最終的な密度値はアルミニウム粉の粒度によらず、水素化チタンの微粉を用いたものが最も高かった。
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