1990 Fiscal Year Annual Research Report
転りと滑り案内を複合化した工作機械用高剛性テ-ブルシステム
Project/Area Number |
02650100
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
青山 藤詞郎 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (70129302)
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Keywords | 工作機械 / テ-ブルシステム / 転り案内 / 滑り案内 / 動剛性 / びびり振動 / 複合案内 |
Research Abstract |
工作機械の高速化と高精度化が急務となっている.これに対応するテ-ブルの案内方式として従来の滑り案内に代わって転り案内が採用される傾向がある.これは,転り案内が滑り案内に比べて低摩擦・低発熱で,高速送り時にテ-ブルの浮き上がりが無く,位置決め動作時の障害となるスティックスリップが発生しにくい等の特長によるものである.しかし,転り案内は滑り案内のように案内面に介在する油膜による大きな減衰効果を期待することができず,送り方向の減衰性が低く加工中にびびり振動が発生しやすいという問題がある.本研究では,滑り案内が有する優れた動的安定性と転り案内の高速・高位置決め性能を合わせ持つ高性能なテ-ブルシステムを提案し,XーY形式の複合構造テ-ブルシステムを試作しその性能を評価した.得られた結果を以下にまとめる.(1)転り案内されたXーYテ-ブルシステムに,電磁力によって摩擦力が調整可能な滑り摩擦付加機構を組み込んだ複合テ-ブルシステムを考案し,試作した. (2)試作した複合テ-ブルシステムをNCフライス盤に組み込み,その性能を評価した. (3)インパルス応答法によりテ-ブル動特性を測定した.その結果,テ-ブル停止中ならびに移動中に滑り摩擦付加機構を作用させることにより,特にテ-ブル送り方向の動剛性が向上し,最大コンプライアンスが数分の一に減少することが確認された. (4)エンドミルによる切削加工試験を実施した結果,切削送り時に滑り摩擦付加機構を作用させることにより,加工中のテ-ブル振動が抑制され,加工面の粗さが向上することがわかった. 以上要するに,本研究で開発した工作機械用複合テ-ブルシステムは,工作機械の性能向上の為に有効なものであることが明らかとなった.
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[Publications] T.AOYAMA: "Development of Hybrid Table System (Rolling Guideway with Variable Frictional Force)" Transactions of the North American Manufacturing Research Institution of SME. 334-339 (1990)
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[Publications] T.AOYAMA: "Performance Enhancement of Machine Touls (Development of a spindle with Variable Preload and a slideway with variable Friction Force)" Proceedings of the International Conference on Manufacturing Systems and Enviroment. 61-67 (1990)
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[Publications] T.AOYAMA: "Development of Hybrid Table System (Combination of the Rolling Guideway and the Slidcway)" JSME International Journal, Ser. III. 33. 541-545 (1990)