1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650119
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
灘野 宏正 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40043799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 正来 呉工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (20110223)
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Keywords | 浸硫処理歯車 / スコ-リング強さ / 歯車騒音 / トライボロジ- |
Research Abstract |
SCM415H材を歯切りし(大、小歯車の歯数がそれぞれ40,18、モジュ-ルは4mm、圧力角は20°の標準歯形)、ガス浸炭焼入れした後、歯面はライスハウア研削を行った。その後、約170℃のアルカリ金属塩浴中に5分間浸入し、電流密度を3.2A/dm^2として10分間浸硫処理を行い、浸炭層上に硫化鉄の拡散層を重層に形成させた。試験歯車の組み合わせに関しては、駆動側および被動側のいずれか一方に浸硫処理歯車を使用した場合、また、駆動側、被動側に浸硫処理歯車を使用した場合等の各種の組合せについて、動力循環式歯車試験機を使用して歯面荷重を350N/mm一定のもとで、速度段階方式でスコ-リング試験を行った。なお、潤滑油は無添加鉱油#140タ-ビン油を強制潤滑で歯のかみ込み側に約0.6L/minずつ吹き付けた。スコ-リング試験結果より下記のことが明らかになった。 1.駆動側に浸硫処理歯車、被動側に浸硫未処理歯車を使用した場合のスコ-リング強さは、駆動側および被動側に浸硫未処理歯車を使用した場合の約2.5倍となり、浸硫処理によって生成される硫化物被膜は良好な摩擦特性を示し、歯面のなじみ性は著しく向上する。 2.歯面上に重層の被膜を施した歯車の場合のスコ-リング発生前の本体温度は約350Kであり、スコ-リング強さは接触歯面上に発生した瞬間温度上昇値より、歯車の本体温度で精度良く評価できる。 3.浸硫処理を施した場合、浸硫処理にともなう歯先修整効果により動荷重が減少し、歯車騒音は著しく減少する。特に、浸硫処理歯車を駆動側あるいは被動側のいずれか一方に使用した場合が歯車騒音の低減に極めて効果的である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hiromasa NADANO,Masaki KOHNO,Yoshio TERAUCHI&Masayoshi MATSUMOTO: "Scoring Resistance of the Gears Sulphurized at Low Temperature" Proceedings of the Japan International Tribology Conference Nagoya,. III. 1533-1538 (1990)