1992 Fiscal Year Annual Research Report
AE法による液体と固体の破壊過程の類似性に関する研究
Project/Area Number |
02650124
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 幸雄 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (70006196)
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Keywords | アコースティック・エミッション / キャビテーション / サブキャビテーション / スーパキャビテーション / 引張破壊 / 超高速破壊現象 / アナロジィ / 液体破壊 |
Research Abstract |
フェンスを通り過ぎる乱流はく離せん断層内に発生するキャビテーション(液体の破壊)において、サブキャビテーションSub.CからスーパキャビテーションS.Cへの移行全過程におけるAE数N、振幅分布を調べた。また、それらの結果を主にSS材の引張破壊過程のそれらと比較・検討した。その結果、以下の事を明らかにした。 1.AEによると、キャビテーションと固体破壊過程には明らかに類似性が存在する。すなわち、AE数N〜キャビテーション係数δおよびN〜応力δ′曲線より、前者では初生およびSub.CからS.Cへの移行過程後に、また、後者ではリューダス帯形成および破断付近でピークを持ち、両曲線とも双峰型である。 2.両破壊過程においては、Nは2つのピークを持つが、ここでは、AEパルスの振幅の増大・Nの増加を認める。そして、高δ、δ′側の第1ピークにおいては突発型AEパルスが連続的に発生し、低δ、δ′側の第2ピークにおいては明りょうな突発型と言える。固体破壊における第1ピークは連続型と言われているが、これは突発型が連続したものであろうから、やはり、AEパルスの様相の比較からも両者間の類似性が明示される。 3.AEパルスの振幅分布よりその傾きmを求めると、初生とSC状態においてはm=2と正規分布を示し、固体破壊のそれらとも類似している。そして、これらのピーク値付近を徐けば正規分布とは言えず、他の確率分布形態を示している。この事は、初生・SC付近、降伏点後期・破断付近とそれ以外の領域の確率分布は異なることを示しており、これら破壊過程は少なくとも2つの確率分布により成り立っている。
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