Research Abstract |
流れの乱れ壁組織構造に及ぼすコリオリカの効果を調べるため,初めにチャネル内の平均流速度分布の特性を考察した。従来コリオリカの安定化・不安定化作用のため,平均速度分布が影響を受けることは知られていたが,定量的に詳しい考察はされていない。本研究では次元解析の結果から,壁近くの流れの支配パラメ-タがΩν/u_*^2(Ω;回転角速度,u_*;摩擦速度)であることを示し,実験結果からカルマン定数化,摩擦係数Cfがこのパラメ-タで良く整理できることを確認した。又Van・Driestの係数Aは圧力側ではΩν/u_*^2のみに依存するが,負圧側ではレイノルズ数にも依存し,静止流路に近い性質の流れとなる。乱流コア部では,コリオリカが作用する流れ場での新しい欠損則を提案し,その妥当性を実験により確めた。 乱流統計量は,小型のX型熱線で,主流成分uはy^+>10,垂直成分vはy^+>30で正しい測定ができることを確認した。チャネル内のせん断応力分布は,静止流路の場合のように直線分布とならず,ロ-ルセル発生による慣性効果のため曲線分布となる。乱れ強さは,静止チャネルに比らべ圧力側での増大は少ないが,負圧側での低下が著しい。乱れu,v成分の4象現分解法による解析により,圧力側ではスィ-プの発生頻度が増加し,イジェクトのそれは静止流路と同程度であるが,レイノルズ応力への寄与はイジェクションが著しく大きくなる。負圧側では,いずれの象現も発生頻度に著しい差がみられなくなる。高次統計量であるひずみ度は,u成分では静止流路からのずれは小さいが,v成分は圧力側で著しく大きくなり,平担度はv成分の負圧側で大きくなる。u,vの相関係数は,負圧側で低下し,圧力側で増大する。バ-ス発生率の変化は,現在計算途中である。
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