1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650152
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
服部 賢 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70016426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 昌章 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60169117)
青木 和夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60115095)
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Keywords | 蓄熱 / 氷 / 水溶液 / 無着氷 |
Research Abstract |
伝熱面に着氷することなく蓄熱槽内に氷を生成する無着氷凍結では、凍結性に関係する水溶液の物性として表面張力、固体面との濡れ性、溶質の拡散係数の知識が必須である。本研究では無着氷凍結の基礎研究として第一に上記諸物性の測定法を確立した。固体面との濡れ性および表面張力の測定では、無着氷凍結に有利と考えられる撥水性の高い固体表面での濡れ性の測定として液滴押し出し法を採用し、これによる測定精度を確認した。拡散係数の測定では、実時間ホログラフィ干渉法による測定法に新たな計測技術を考案し、誤差4%以内での測定を可能にした。これらの測定には画像処理技術を導入し、現在、数種の伝熱面と水溶液の組み合わせについてこれらの諸物性の測定を継続中である。 凍結実験は水平円管まわりについて行った。基本的凍結条件として、初期水温が凍結温度で静水中の凍結について観察し、氷結晶の状態を写真観察から水溶液の濃度について分類整理した。流れの中におかれた円管まわりの水溶液の凍結では、伝熱面に生成した針状またはデンドライト状の氷結晶が流れによって伝熱面から離脱し流下する。このときの氷結晶の離脱性あるいは伝熱面への付着状況は水溶液濃度、流速に関係する事が確認された。しかし、現段階では現象の再現性を支配する因子についてまだ明らかになっていない。その他の影響因子、溶質の種類、冷却速度について、さらに濡れ性など伝熱面の表面性状に関わる因子の影響について順次実験的に検討中である。 淡水の無着氷凍結については、伝熱面に無着氷のまま過冷却水の得られる事は確認された。しかし、現段階では過冷却度が小さい事および過冷却からの回復方法に問題が残されている。
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