1990 Fiscal Year Annual Research Report
低温度レベルの熱源の資源化をめざす新作動媒体の熱量測定による熱力学的検討
Project/Area Number |
02650166
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 春樹 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70137983)
|
Keywords | 新作動媒体 / 熱量測定 / 定圧比熱 / エネルギ-資源 / 小温度差エネルギ- / 代替フロン / 液体熱物性 / 気体熱物性 |
Research Abstract |
都市排熱および産業廃熱等の低温度レベルで捨てられていた熱を、ヒ-トポンプを用いることにより中温度レベルに昇温して再利用しようとする考えから、新作動媒体の熱量測定を行なうことにより最適な作動流体を見い出すための熱力学的検討を行なうことが本研究の目的である。 ヒ-トポンプの作動媒体としては、従来よりフロン12,フロン22,あるいはフロン114などが用いられている。これらのガスはオゾン層を破壊するあるいは分子の安定性から80℃程度までの昇温にしか使えない等の理由から本研究の目的にあう作動媒体としては適切でない。 平成2年度は、液体の定圧比熱測定装置および気体の定圧比熱測定装置の改造から開始し、交付申請書の研究実施計画に従い以下の研究成果を得ることができた。 1.気体の定圧比熱測定装置に関しては、少量の試量の試料でなるべく短時間に測定できるように改造を進めた。具体的には試料を循環させて長時間安定な状態を実現できるよう蒸発器および凝縮器を新に設計しその製作を行なった。また、液体の定圧比熱測定装置に関しては、高温まで測定できるようにするため循環恒温槽を購入した。 2.熱量計本体の断熱性能を向上させる目的から、多層金属板真空断熱法に関して様々な方法を試みた結果、厚さ0.035mmの銅箔に金鍍金を施し、銅箔と銅箔の間には穴をあけたパルプ繊維紙をはさむ構造により、本測定装置(液体用)では検出できなくなるまで熱損失を抑えることができた。 3.気体用の定圧比装置に関しては、新冷媒HFCー134aの定圧比熱を4点決定し、装置の信頼性を確認した。液体用の定圧比熱装置に関しては、当初予定していたHCFCー225の入手が困難であったことから、新冷媒HCFCー142bおよびHFCー152aに関して、それぞれ31点および36点の測定を行った。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 朴 春成,池谷 陽一郎,佐藤 春樹,渡部 康一: "代替フロンの気体定圧比熱の測定" 第11回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 1. 99-102 (1990)
-
[Publications] 中川 真介,佐藤 春樹,渡部 康一: "代替フロン物質HCFCー142bの液体定圧比熱の測定" 第11回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 1. 103-106 (1990)
-
[Publications] Y.IKEYA,CーC.PIAO,S.YOKOTA,H.SATO,and K.WATANABE: "Measurements of Gaseous lsobaric Specitic Heat of Alternative Refrigerants" submitted to the ASME llth Symposium on Thermophysical Properties. (1991)
-
[Publications] H.SATO,S.NAKAGAWA,A.SAITO,T.HORI,K.WATANABE: "Isobaric Specific Heat of Liquids for Several New Refrigerants" submitted to the ASME llth Symposium on Thermophysical Properties. (1991)
-
[Publications] 中川 真介,堀 達二,佐藤 春樹,渡部 康一: "代替フロン物質HFCー152aおよびHCFCー142bの液体定圧比熱" 第28回日本伝熱シンポジウム. (1991)