1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650168
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
溝本 雅彦 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (60051710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 利久 慶応義塾大学, 理工学部, 専任講師 (10151797)
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Keywords | 触媒燃焼 / 希薄燃焼 / 層流平板境界層拡散火炎 / 触媒安定化型拡散火炎 / 火炎安定性 / 振動不安定 / はく離不安定 / 消炎領域 |
Research Abstract |
省資源や二酸化炭素排出量の低減を目ざして、希薄燃焼や触媒燃焼が注目されているが、現在は予混合燃焼を中心として研究が進められている。他方、空気流中に平行に置かれた多孔質平板より燃料を一様に吹出す際に形成される平板境界層拡散火炎は、気体燃料や固体燃料の表面燃焼と関連して重要なため、古くから研究の対象とされてきた。そこで本研究は、層流平板境界層拡散火炎において燃料にメタンを用い、これを窒素で希釈することにより拡散火炎における希薄燃焼の実現を試み、さらにその際に問題となる火炎安定性の低下を改善するために、燃料を吹出す多孔質平板に触媒性を持たせ、それが火炎安定性に及ぼす影響を検討し、以下の結論を得た。 1)層流平板境界層拡散火炎には、火炎基部が振動する振動不安定と、火炎基部の一部がはく離するはく離不安定の二つの不安定現象が存在する。前者は、吹き出し気体中の燃料濃度の減少による火炎温度の低下に起因する。 2)多孔質平板に触媒性を持たせることにより、振動不安定現象の発生を遅らせる。すなわち、火炎の安定性を向上させることができる。このことより、本研究で対象とする火炎においては、火炎基部において燃料と空気の予混合が起り、その予混合気の伝播速度と火炎茎部に流入する流れの速度のつりあいにより火炎の安定機構が説明でき解媒は火炎基部と多孔質平板との間に存在する消炎領域における化学反応を活発にし、火炎を安定化させるものと考えられる。 3)はく離不安定は触媒の影響を受けず、火炎安定性の向上は認められない。はく離不安定は、燃料濃度の低い値で発生するため、この際の火炎温度は低く、触媒表面も低い。そのため、触媒の効果も極めて小さいものと考えられる。
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