1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650178
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 廣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40115100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 雅二朗 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60212552)
永澤 茂 長岡技術科学大学, 工学部, 講師 (40198312)
丸山 暉彦 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30016646)
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Keywords | 雪氷 / 動的相互作用 / 摩擦力 / 滑雪速度 / トライボロジ- / 経年変化 |
Research Abstract |
本年度は,雪と機械構造物の動的相互作用のなかで重要な意味を持つ動摩擦力を雪温度Tと雪の流体膜(水)に及ぼす接触圧力pに着目し測定した.供試材としては,チタン板,ステンレス鋼板,樹脂塗装金属板及び高分子材料板を用いた.この実験結果及び理論解析より以下のことが明らかになった. (1)μはTの影響を受ける.滑雪速度V=0.0005m/sの場合は,Tの増加にしたがってμは減少する傾向がある.また,V=0.01,0.1m/sの場合は,T=0〜-2℃近傍でμは極小値を示す. (2)μはpの影響を受ける.T=0℃の場合は,pの増加にしたがってμは減少する傾向がある.しかし,T=-4℃の場合のμはpにほとんど影響を受けない. (3)μは材料板の表面性状の中で,表面粗さRz及び板と水滴の接触角θの影響を受ける.Rzが大きいほど,θが小さいほどμは大きくなる傾向がある. (4)(1),(2)及び(3)で述べた実験傾向は,実験結果の動力学及びトライボロジ的考察に基づき,動摩擦抵抗が表面凹凸による抵抗,粘性抵抗及び凝着部のせん断抵抗の合力として生じると考え導出した雪と板の相互作用を表す状態方程式によってほぼ説明できる. (5)雪と材料板の潤滑理論をもとに得られた潤滑線図により,各試験板の詳細な滑雪特性が説明できる. (6)表面粗さの経年変化予測の結果より,チタン板は樹脂塗装金属板より経年変化が少なくμの変化も小さい.また,無塗装板は塗装板より経年変化が少なくμの変化も小さい.
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