Research Abstract |
本研究では,軸受のがたに起因する非線形復原力および軸剛性に異方性をもつ回転軸系に,基礎励振として正弦外力が加わる場合の非線形応答,特に不安定現象について調べる.実験では,上記のような回転軸系を製作した.回転軸の駆動装置としてACサ-ボモ-タおよびサ-ボパック(三菱電機,MRーSA153),回転軸の測定装置として変位センサ(キ-エンス,LXー130),ディジタル回転計(小野測器,TWー830),およびロ-タリ-エンコ-ダ(小野測器,SPー405Z),加振力の測定装置として力変換子(B&K,8200U)およびラインドライブインプット(B&K,2644)などの実験に必要な装置を購入すると共に,測定装置からのデ-タをAD変換してパ-ソナルコンピュ-タ(現有設備)に取り込み,回転軸の振れ回り振幅,回転数,基礎台の振幅などを求め,ディスプレイ上に共振曲線や振動波形を表示できるような計測システムを製作し,その動作確認を行った. 第一段階として,基礎からの励振がない場合の線形回転軸系を扱った.その結果,基礎の励振振動数や軸回転数に対する回転軸の応答(共振曲線)を明らかにし,基礎台のばねと質量が動吸振器的な影響を及ぼすことを見い出した.従って,基礎台のばねや質量の値を適切に選択すれば,基礎が剛である場合よりも回転軸の振れ回り振幅を小さくすることができるという可能性があることが判明した. 今後の研究計画では,軸剛性をもつ偏平軸や非線形復原力をもつ回転軸系を対象にし,正弦的な基礎励振の場合についてさらに綿密な実験を行う.特に,基礎の励振振動数,励振振幅,基礎の固有振動数,および回転軸の非線形性や異方性が回転軸の応答にどのような影響を及ぼすのかを検討すると共に,不安定振動の発生の有無およびその発生範囲について理論的,実験的に明らかにする.
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