1990 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレ-ト膝による大腿・膝蓋関節部の運動形態と荷重負荷特性に関する実験的研究
Project/Area Number |
02650186
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
広川 俊二 九州大学, 教養部, 助教授 (80150374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 公介 九州大学, 医学部, 講師 (40136437)
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Keywords | シミュレ-ト膝 / 大腿・膝蓋関節接触圧 / 膝蓋骨の3次元運動 / 大腿拮抗筋収縮力 / 膝屈曲角 / 歩行動作 |
Research Abstract |
シミュレ-ト膝の形態、構造、寸法諸元等には、現実の生体膝関節のそれらとの厳密な対応が要求されるため、当初は死体膝を直接対象とした測定実験を繰返し、断片的ではあるが、種々の予備デ-タを多数収集した。 次に、これら予備デ-タの精度を検定したり、後に予定しているシミュレ-ト膝での実験計画を容易にすることなどを目的とし、当該関節部の数学モデルを作成し、種々の計算機シミュレ-ションを実施した。 この計算機シミュレ-ションの結果は、シミュレ-ト膝での実験計画の貴重な資料となり得ただけでなく、それ自体が有用な研究成果をもたらした。 歩行時の筋収縮力と膝屈曲角度との組合せデ-タに関しては、多数の研究結果が公表されているものの、研究者ごとに実験条件が異なり、結果に大きな隔りがあるため、本研究の目的に合致したデ-タはほとんど存在しない事が判明した。そこで、この点に関しても、独自に人間の下肢モデルを構築し、一般性の高いデ-タを算出し、整理した。 前述した予備実験結果とシミュレ-ション解析の結果から、筋収縮力と関節接触力や膝蓋骨の3次元運動との間には、一定の相似則が成り立ち、現実のそれより低い筋収縮力特性で、目的とするデ-タが得られる事が分かった。以上により、本研究で計画していたシミュレ-ト膝を当初予定していた仕様に比べ、小型・軽量化したものに設計変更し、現在、これが完成した段階である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Hirokawa: "Threeーdimensional Mathematical Model Analysis of The patellofemoral Joint" Journal of Biomechanics. 24. (1991)
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[Publications] 広川 俊二: "膝蓋骨亜脱臼と外側圧迫症に対するモデル解析ー軟部組織の影響ー" 計測自動制御学会論文集. 26. 1112-1119 (1990)
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[Publications] 広川 俊二: "大腿拮抗筋収縮力が膝関節不安定性に及ぼす影響" 計測自動制御学会論文集.
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[Publications] S.Hirokawa and K.Matsumura: "Variation of the Cruciate Ligaments' Tension Elicited by the Thigh Muscles' Contraction" Proceedings of the 3rd USAーChinaーJapan Joint Conference on Biomechanics.
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[Publications] S.Hirokawa;M.Solomonow' et al.: "AnteriorーPosterior Displacement of The Tibia Elicited By Quadriceps Contraction" Journal of Bone and Joint Surgery.
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[Publications] S.Hirokawa;K.Ogata and K.Matsumura: "Variation of Patellafemoral Joint Contact Stress during Walking" Proceedings of World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering.
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[Publications] A.Morecki編 広川 俊二訳: "バイオメカニクス工学" 養賢堂出版(株), 110 (1991)