1990 Fiscal Year Annual Research Report
誘導電圧の非干渉重畳による高電圧矩形パルス波形の改善と単色大強度REBの発生
Project/Area Number |
02650197
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀田 栄喜 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70114890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光明 東京工業大学, 工学部, 助手 (00196875)
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Keywords | 誘導電圧 / 非干渉重畳 / 高電圧矩形パルス / 相対論的電子ビ-ム |
Research Abstract |
誘導電圧の非干渉重畳を利用すれば、負荷条件にほとんど影響されることなく任意の電圧波形を合成することが可能になるので、電圧波形を著しく改善することができ、これにより電子ビ-ムの単色性および定電流特性の向上を図ることができる。本研究の目的は、負荷側の自由に応じることのできる、誘導電圧の非干渉重畳を利用した高電圧矩形パルス電源の特性、およびこの電源を用いた磁気絶縁型電子銃により生成される円筒形大強度相対論的電子ビ-ムの特性を研究することである。本年度は主に高電圧矩形パルス電源の研究が行われた。最初に、集中定数素子を用いた出力インピ-ダンス50Ω、パルス幅200ns、整合出力電圧180kVの、出力パルス幅が比較的長いパルス形成線路2本を、EMTP(ElectroーMagnetic Transient Program)によるシミュレ-ションを使って設計、製作した。製作されたパルス形成線路の模擬負荷への出力は、パルス幅が設計値よりやや長いものであったが、ほぼ所定のものが得られた。また、パルス伝送線路もパルス形成線路と同一の集中定数素子を用いて製作したが、シミュレ-ション等の結果、パルス伝送には不適当であることが明らかになったので、実際には使用していない。また、パルス形成線路の出力スイッチとして磁気スイッチを採用し、2本のパルス形成線路から、十分、同期のとれた出力が得られるこを確かめた。しかしながら、スイッチとしての性能にはまだ不十分な部分があるので、今後の改良が必要である。また、この磁気スイッチを用いた実験およびシミュレ-ションより、電圧重畳用のアモルファス変圧器に要求される特性がかなり厳しいことが明らかになったので、現在、これについて再設計中である。ただし、これまでの研究から設計基準については多くの知見が得られている。来年度は、変圧器の設計と単色電子ビ-ムの発生を研究の主目的とする予定である。
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Research Products
(2 results)