1990 Fiscal Year Annual Research Report
負荷追従運転時における原子炉のゼノン空間振動の制御
Project/Area Number |
02650199
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩住 哲朗 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70027126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 裕之 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (40135405)
神藤 久 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (20093099)
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Keywords | 負荷追従運転 / 加圧水型原子炉 / 沸騰水型原子炉 / ゼノン空間振動 / 分布定数系 / ロバストサ-ボ系 |
Research Abstract |
負荷追従運転時における原子炉のゼノン空間振動の抑制制御に関する基礎的な研究を目的として、次に述べる手順によって研究を実施することで、当該研究の今年度における研究計画を達成することができた。 1.負荷の変動に対応して出力を追従させると同時に、中性子束分布を一定に保つことを目的としていることから、原子炉内の中性子動特性を適切に記述するための分布定数モデルについて考察した。原子炉には加圧水型原子炉と沸騰水型原子炉の異なった2種類のタイプがあるが、両者は内部フィ-ドバック効果という点でそれぞれ特徴を有している。特に、後者において冷却水中の気泡の割合であるボイド率は重要なフィ-ドバック要素であり二相流状態での熱伝達過程を考慮したモデリングが必要となった。また、反射体による影響を考えることにより熱中性子のみならず高速中性子をも考慮した炉心モデルを検討した。その結果、かなり詳細に炉内の中性子束分布を表現する数学的モデルを得ることができた。同時に制御効果を検証する目的から沸騰水型原子炉に対する計算機用コ-ドを開発すべく炉内における熱伝達及び二相流現象に対する解析モデルについて検討した。 2.制御系を設計するにあたり定常状態のまわりでの線形化モデルが必要となる。そのため臨界を維持しながら定常解を求めるための数値計算アルゴリズムを異なる2種類の手法により開発した。一つは、差分法に基づく繰り返し計算手法であり、平成2年度分の研究経費により購入した数値計算及び図形処理用マイクロコンピュ-タを用したシミュレ-ションの実施により妥当な中性子束分布を得ることができた。他の一つは適切なモ-ド関数を用いたガレルキン法に基づく手法である。後者の手法によって得た簡略化された加圧水型原子炉モデルに対してはロバストサ-ボ系を設計しシミュレ-ションを実施することにより制御効果を確認することができた。
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