1990 Fiscal Year Annual Research Report
ニュ-ラルネットの発電機起動停止問題の適用可能性についての研究
Project/Area Number |
02650203
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 博司 広島大学, 工学部, 教授 (10034349)
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Keywords | ニュ-ラルネットワ-ク / ホップフィ-ルド型ネットワ-ク / 混合整数計画問題 / 発電機起動停止問題 / 不等式制約 |
Research Abstract |
1.ホップフィ-ルド型ニュ-ラルネット(以下、“NN"と略)の収束特性の理論的研究を進めたが、今迄の所問題の難しさもあって理論的に明確な結論は得られていない。ただし、ニュ-ロンの初期値として、中間値の0.5に乱数値を加えたものを選べば、最小値の近傍へと収束させ易いことが経験的に判明している。 2.多くの不等式拘束を含む最適化問題を取扱うために、不等式専用のNNをホップフィ-ルド型NNに付加したものについて重点的に研究した結果、大規模の問題に対しても収束させ得ることが判明し、この方式で発電機起動停止問題に適用できることが明らかとなった。また、ホップフィ-ルド型NNのエネルギ-関数が変数の3次以上の項を含む場合にも安定に収束するよう拡張することができた。 3.発電機起動停止問題に含まれている種々の等式制約、および不等式制約をニュ-ロンの出力の関係式として記述することに成功した。本問題において最小化すべき目的関数は燃料費と起動コストの和であるが、現段階におけるNNの表現能力の制限から発電機の燃料費特性を線形と仮定することによって、発電機起動停止問題をNNによって解くことが出来るようになった。 4.30機、24期間という実用規模に近い起動停止問題をNN上にマッピングし、初期条件をいろいろに変えて得られた解の比較を行った。ベンチマ-ク用に開発したラグランジュ緩和法によるプログラムで得られた解を最適解としたとき、これに非常に近い結果が得られており、本研究の本年度の目標はほぼ達成されたものと考えられる。
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