1991 Fiscal Year Annual Research Report
CIS(セレン化銅インジウム)薄膜太陽電池の新型ヘテロ接合作成に関する研究
Project/Area Number |
02650227
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
磯村 滋宏 愛媛大学, 工学部, 教授 (00116906)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 和充 愛媛大学, 工学部, 教授 (40036497)
白方 祥 愛媛大学, 工学部, 助手 (10196610)
|
Keywords | CuInSe_2太陽電池 / SnO_2薄膜 / プラズマCVD / ヘテロ接合 |
Research Abstract |
本年度は、高効率大陽電池用材料であるセレン化銅インジウム(CuInSe_2:CIS)に用いられているCdS/CISヘテロ接合に代わる、環境汚染の無いヘテロ接合としてSnO_2/CISヘテロ接合の作成および、基礎的評価を行った。 まず、SnO_2多結晶薄膜のプラズマCVD法による低温成長の実験を行った。SnO_2の原料として、Arに飽和したテトラブチル錫(TBT)を酸素と混合した後、1Torrに減圧された反応室に供給した。まず、コ-ニング7059ガラスを基板とし、成長条件(電極間距離、高周波電力、基板温度、TBT温度、酵素流量)とSnO_2薄膜の特性(膜厚、X線回折特性、光透過特性、電子濃度、電子移動度)との関係を明らかにした。基板温度350℃,高周波電力80W,TBT温度140℃、Ar流量120ml/分,酸素流量100ml/分、で良質のSnO_2多結晶薄膜が成長した。高周波放電を用いない場合、成長が観られないことから、プラズマが原料ガスの分解および成長に有効であることがわかった。また、アルカリ不純物を含んだガラス基板上にはSnO_2膜は全く成長しないことから、TBTを用いたプラズマCVDには選択成長の傾向があることがわかった。 以上のSnO_2成長実験の結果に基づき、SnO_2/CISヘテロ接合ダイオ-ドを試作した。このダイオ-ドは、整流性を示したが、光超電力は得られなかった。この原因の一つとして、CVD開始時におけるCIS表面の酸化が考えられる。今後、これらの問題点を解決すると共に、ITO,ZnO,aーSiとのヘテロ接合によるCIS太陽電池の研究を継続する予定である。
|