1990 Fiscal Year Annual Research Report
高周波用アモルファス磁性合金超薄帯の磁化反転機構と超低損失化に関する研究
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02650230
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
八木 正昭 宮城工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (80005371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢 孝雄 東芝新素材応用研究所, 研究員
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Keywords | 高周波用 / 超低損失 / アモルファス薄帯 |
Research Abstract |
本研究は、本年度、2カ年計画の第1年度として、ほぼ当初の計画通り進めることができ、以下に述べるような成果が得られた。 1.アモルファス超薄帯の作製:板厚10〜3μmのCo基のアモルファス超薄帯をより安定した条件で作製するための種々の検討を行い、装置の振動を軽減するための改修を実施した。これによって、特に、5μm以下の超薄帯の製造が容易になるものと考えられ、次年度さらに詳しく検討する。 2.磁区観察:板厚4μm程度までのリボン状の試料についての磁区の観察に成功し、磁心損失および透磁率の超薄帯特有の板厚依存性と磁区構造の定性的な関係を把握することができた。現在、さらに、詳しく検討するために、磁区観察装置の改良を行う一方、トロイダル磁心を直接観察する方法を検討している。 3.磁心の特性測定:種々の組成および熱処理条件で作製した試料薄帯について、磁心損失、保磁力、ヒステリシス損失、透磁率などの測定を行い、作製条件と磁気特性の関係を検討した。 上記2、3に用いた熱処理には、交付申請書に購入計画を記載したとおり、高精度自動加熱装置を購入して利用した。 4.さらに、種々の板厚の試料薄帯の磁区構造の周波数依存性について、磁区モデルを用いた検討も行った。 以上述べたように、板厚10μm以下のアモルファス薄帯の高周波磁気特性に関する検討を行い、従来全く不明であった板厚3〜5μmのアモルファス超薄帯の磁心損失および透磁率の周波数依存性、およびそれらの板厚依存性を明らかにした。また、これら超薄帯の磁区観察にも成功し、本研究の目的とするCo基アモルファス超薄帯の超低損失化に手掛かりを得るなどの成果が得られた。
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[Publications] M.Yagi,T.Sawa,K.Inomata,T.Sato and Y.Sakaki: "HIGH FREQUENCY MAGNETIC PROPERTIES OF ULTRATHIN CoーBASED AMORPHOUS ALLOYS FABRICATED IN VACUUM" ANALES DE FISICA Series B (Proc.of the Symposium on SOFT MAGNETIC MATERIALS 9). Vol.86. 166-168 (1990)
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[Publications] 八木 正昭、沢 孝雄: "アモルファス超薄帯の高周波磁気特性" 電気学会マグネテイックス研究会. MAGー90ー118. 1-9 (1990)
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[Publications] M.Yagi and T.Sawa: "SOFT MAGNETIC PROPERTIES OF ULTRATHIN CoーBASED AMORPHOUS ALLOY RIBBON WITH THICKNESS OF 3ー10μm" IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS. Vol.26. 1409-1411 (1990)
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[Publications] C.Piotrowski,M.Yagi and T.Sawa: "THE FREQUENCY DEPENDENCE OF AC COERCIVITY OF ULTRATHIN,LOW MAGNETOSTRICTION CoーBASED AMORPHOUS RIBBONS" J.Appl.Phys.,. (1991)