1990 Fiscal Year Annual Research Report
次世代通信網における動画像信号の可変レ-ト符号化に関する研究
Project/Area Number |
02650231
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
加藤 茂夫 宇都宮大学, 工学部, 講師 (00143529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 靖彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40013106)
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Keywords | 広帯域ISDN / 非同期転送モ-ド / パケット化映像 / 帯域分割符号化 / 階層的符号化 |
Research Abstract |
広帯域ISDNにおける伝送交換方式としては,非同期転送モ-ド(ATM)が有力候補に上げられている.ATMを利用して映像伝送を行なう際の問題点として,伝送路におけるオ-バ-フロ-や伝送誤りによるパケットの損失などがあるが,われわれは,このような誤りに対して耐性のある映像伝送方式として,画像のおおまかな情報を先に送る段階的な伝送法を提案している.これらの具体的な実現例としては,帯域分割符号化法や階層的符号化法なでがある。 本研究では,まず,帯域分割符号化における主要な問題点の一つである完全再構成FIRフィルタの構成法について新たな提案を行なった。提案方式は,(1)構成フィルタ数が従来の手法の1/2で済むこと.(2)少タップ数のフィルタで完全再構成が可能であることなどの特徴がある.また,本提案方式のフィルタは,直線位相フィルタと非直線位相フィルタの組合せで構成されるため,画像の段階的表示の際に位相歪の問題を引き起こすが,これについては,鏡像関係を利用した線形フィルタの挿入によって計算量の大きな増加をまねくことなく解決できることを示した.さらに,本研究で提案した手法により、階層的符号化と帯域分割符号化とを融合させ,統一的に取り扱えることを明らかにした。 次に,符号化効率特性の向上を目的として,現在、高能率エントロピ-符号化用符号として着目されている算術符号をとりあげ、その性能改善に関する研究を行った.最終的には動画像信号への適用を目的としているが,本年度は,その基本的特性を明らかにするため,対象を2値静止画像に限定し,静特性および動特性の両面から最適化を図ることにより算術符号の効率的な動的適応化手法を提案した.シミュレ-ション実験の結果,従来の動的算術符号に比べ96パ-セント程度の符号量で符号化が行えることを明らかにした.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大沢 秀史: "動的算術符号による2値画像の高能率符号化" 電子情報通信学会論文誌. J73ーBーI. 546-553 (1990)
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[Publications] Jiro KATTO: "A New Structure of the Perfect Recfect Reconstruction Filter Banks for Subーband Codig" Transaction of the IEICE. Eー73. 1616-1624 (1990)