1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650241
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷本 正幸 名古屋大学, 工学部, 教授 (30109293)
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Keywords | 差分FM / 非直線エンファシス / TAT方式 / 差分変換 / 振幅圧伸 / FM / テレビ伝送 / 多重伝送 |
Research Abstract |
研究実施計画に従って研究を遂行し、ほぼ所期の成果を得たのでその概要を以下に記す。 1.テレビ信号の差信号を変調信号とする新しい差分FM伝送方式について、SN比と波形ひずみを解析した結果、送信側で差信号の振幅圧伸を行い、受信側でその逆圧伸を行うことが、SN比の改善に大変効果的であることが分かった。 2.SN比の改善と波形ひずみの抑圧を両立させるためには、振幅圧伸特性を差信号振幅が小さい部分では非直線とし、大きい部分では直線とすることが重要である。 3.本方式では変調信号の振幅を過度に増幅しなくても十分なSN比を実現することができるため、同じSN比のとき従来のFM方式に比べて波形ひずみを1/2程度以下に小さくできる。 4.二つのテレビ信号を周波数帯域を広げずに多重する方式として、二つの信号の各々をTATで帯域圧縮した後に時分割多重する場合と、二つのテレビ信号を時間軸圧縮多重して得られる広帯域画像信号をTATで帯域圧縮する場合について検討した結果、後者の方が二つの画像信号の統計的性質の違いも利用できるため、圧縮多重に起因するひずみを小さくでき有利であることが分かった。 5.TAT方式で帯域圧縮多重した二つのテレビ信号を差分FM方式で伝送する方式を国際間衛星FM回線に適用し、同期信号と制御信号を垂直帰線期間に多重して映像信号と一緒に伝送するシステムの回線設計を行った結、CN比が17dBのとき、1チャネルの伝送路帯域幅を用いて、2チャネル分のテレビ信号を無評価SN比が40dB以上、波形ひずみが2程度で伝送できる見通しを得た。 6.以上の結果、提案方式がこれまでに報告されている高能率な非直線エンファシスFM方式よりも更に高性能であり、テレビ信号の高能率伝送に適していることが判明した。
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Research Products
(2 results)