1991 Fiscal Year Annual Research Report
回路分割によるVLSI回路の解析アルゴリズムに関する研究
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02650247
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Research Institution | Tokushima University |
Principal Investigator |
牛田 明夫 徳島大学, 工学部, 教授 (20035611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 敦美 徳島大学, 工学部, 助手 (40035639)
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Keywords | VLSI回路 / 定常振動解 / 暖和法 / 分布定数回路 / 過渡解析 / 直流解析 / 最小値探索法 / 解曲線追跡法 |
Research Abstract |
回路分割によるVLSI回路の解析アルゴリズムに関する研究では以下の3っのテ-マについて研究を行った. 1.電子回路に発生する定常振動解の求解アルゴリズムの開発 電子回路に発生する定常振動解の求解に対して,我々は回路分割を利用して両者の特長を取り入れた混合解析法を開発した.この場合,部分回路N_1は弱非線形回路であると仮定し,周波数領域での求解法を適用する.一方,部分回路N_2は強非線形回路であると仮定し,この回路に対しては時間領域での解法を適用する.結合回路に対しては,暖和法を用いる解析法を開発した.この混合解析法はQが非常に高いタンク回路をもつ増幅器,水晶発振回路などに有効であることがわかった. 2.回路分割を利用した非線形分布布定数回路の過渡解析手法の開発 まず,与えられた回路を仮想電源を用いて,線形分布回路と非線形部分回路に分割する.つぎに,仮想電源をべき級数で表現し,両者の応答が等しくなるような係数をニュ-トン法を用いて決定しようとしうものである.さらに,線形分布回路の解析には,高速数値ラプラス逆変換を導入し,非線形部分回路の解析には,後期差分公式を用いることにより,より高速で,精度のよい解析アルゴリズムを開発することができた. 3.非線形低抗回路の解析アルゴリズムの開発 電子回路における,殆どの回路素子は一変数素子であるが,多変数の場合でも,適用できるようにするために適当な補助変数を導入し,一変数素子に変換する手法を考案した.このように変換された素子をもつ回路に対して直方体に分割された交点で,回路方程式の符号のみを調べることにより,全ての解を効率よく求めることができるアルゴリズムを群馬大学の山村助教授らと共に開発した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 牛田 明夫: "非線形定常振動解の求解法" システム/制御/情報(システム制御情報学会). 3. 607-614 (1990)
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[Publications] Akio Ushida: "Stedyーstate analysis of nonlinear circuits based on hybrid methods" Bull.of Faculty of Engineering,The University of Tokushima. 27. 65-79 (1990)
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[Publications] 牛田 明夫: "解曲線追跡法による低抗回路における分岐点の求解法" 数理解析研究所講究録. 748. 96-102 (1991)
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[Publications] He chen,Akio Ushida: "A modified predictorーcorrector tracing curve algavithm for soluing nonlinear resistive circuits" IEICE Trans.(電子情報通信学会). Eー74. 1455-1462 (1991)
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[Publications] 山村 清隆,牛田 明夫,堀内 和夫: "Kevorkiam分解法についた区間解析の効率化について" 電子情報通信学会論文誌. J74ーA. 1142-1150 (1991)