1991 Fiscal Year Annual Research Report
地震直前予知法としての異常電波雑音の効果的な観測法と電波伝搬機構に関する基礎研究
Project/Area Number |
02650250
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 尚 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80064476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 善久 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30139745)
辺澤 丕雄 金沢工業大学, 工学部, 教授 (20199996)
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Keywords | 地震予知 / 地中電波伝搬 / 電波雑音 / 電磁放射 |
Research Abstract |
1.地中に想定した電波源による地表面近傍の電界強度分布と波源強度の試算 空間を大地(損失性媒質)と大気(無損失性媒質)からなる2層均質媒質とし、地中の震源に電波発生源として水平微小電流源を想定した単純なモデルを設定し、地表面近傍の電界強度分布の幾何光学的近似理論式を導出した。この理論式に、他の研究機関で得られた異常電波雑音観測デ-タを適用して波源強度(電流モ-メント)と地表面近傍の電界強度分布を数値計算して推定した。その結果、通常時の自然電波雑音よりも強い異常な電波雑音が観測されるためには、常識的な範囲を大きく越える波源強度を想定しなければならないことがわかった。 2.縮小モデル実験 理論式や数値計算結果の妥当性を検証するための縮小モデル室内実験を試みた。無限空間を確保するための電波吸収体箱(容積約1m^3)の中に細かい乾燥砂を半分入れ、大地と大気の2層媒質空間を創出した。砂(大地)中に波源として埋め込んだ折り返し半波長アンテナから周波数1[GHz]の電波を放射し、地表面近傍の電界相対強度分布を測定した。しかし、砂と電波吸収体の境界面からの反射波や受信用小型アンテナの特性不安定のため、理論値を検証するまでに至らなかった。実験空間と測定システムの再検討が必要である。 3.より効果的な観測方法への提言 地震に伴う異常電波雑音の波源が震源に位置すると仮定すれば、観測点は地上からの通常雑音の影響が少ない地下の深部に設置し、地中での減衰が少ない低周波数の電磁界を受信することが望ましい。また、波源の方向探知のためには多点観測および電果または磁界の3成分の波形観測が必要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takashi YAMAGUCHI,Yoshihisa OKUMURA,Motoo MIZUSAWA: "Reflection and Transmission Characteristics at the Ground Surface by the Electromagnetic Plane Waves from Under Ground" 1990 Antennas and Propagation Symposium Digest. I. 341-344 (1990)
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[Publications] 山口 尚,水澤 丕雄,奥村 善久: "地中から到来する平面電磁波の地表面付近の反射・透過特性" 電子情報通信学会 論文誌BーII.
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[Publications] 山口 尚,水澤 丕雄,奥村 善久: "地中に想定した電波源による地表面近傍の電界強度分布の試算" 電子情報通信学会 論文誌BーII.