1991 Fiscal Year Annual Research Report
学術情報ネットワ-クに適用する高速パケット交換機の設計に関する研究
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02650251
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
浅野 正一郎 学術情報センター, 研究開発部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 彰子 学術情報センター, 研究開発部, 助手
計 宇生 学術情報センター, 研究開発部, 助手
飯田 記子 学術情報センター, 研究開発部, 助教授
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Keywords | 情報ネットワ-ク / 高速通信 / ATM / 多段接続回路網 / ISDN / 研究ネットワ-ク / 同報通信 / 高速交換 |
Research Abstract |
伝送する情報量が増大し,情報通信に対するニ-ズは増大しかつ多様化している。このような中で,CCITTでは1988年にディジタル通信の標準化に関する合意に達し,サ-ビス統合ディジタル網(ISDN)の実用化に踏み切った。しかし,ISDNで提供可能な情報通信速度は1.5Mb/sが最大であり,高品質映像通信等の情報量の多い通信には限界がある。このために現在世界で開発が進められているのが,広帯域ISDN(BーISDN)である。学術研究ネットワ-クの環境においても,BーISDNが当面の目標としている150Mb/sないし600Mb/sの速度を必要とする状況が目前に迫っている。BーISDNの実現方式として有望と考えられているものはATM(非同期通信網)であるが,高速化を達成するためには,高速スイッチングを実現するATMスイッチを必要とする。特に,通常のスイッチだけでなく多数の研究者との間で協調的な研究活動を可能とするために,複数の研究者に同一の情報を伝送することができる同報通信をATMを用いて実現することが必要とみなされている。今年度は,この同報接続を可能とする高速交換機の構成方法をとりあげ,新たな方式に提案と検証を行った。 方式は,βエレメントと称する基本スイッチを用いる多段接続回路網に基づくものとし,特に基本回路網として周知されているBatcherーBanyan網(BーB網)を改良したものを提案している。同報のためには情報の複製を必要とするが,これをBーB網のトポロジ-で実現できることを証明し,BーB網による複製段と同じくBーB網による分散段を従続接続することで交換機を構成することを提案している。これは新たな知見であり,電子情報通信学会の論文誌に発表している。また現実的環境に提案する構成の交換機を導入する際の構成の拡張方法等の検討も併せて行っている。
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[Publications] 関 滋夫,浅野 正一郎: "発IDの問題分析と実現方法の検討" 電子情報通信学会論文誌. 74ーBー1,8. 979-987 (1991.8)
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[Publications] S.Runnggeratigul,計 宇生,浅野 正一郎: "A Study on Bandwindth Allocation in Integrated Communication System" 第43回情報処理学会全国大会. Iー142. 142 (1991.10)
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[Publications] 丸田 徹,計 宇生,浅野 正一郎: "同報通信を提供する広帯域スイッチのための複製分散段" 第43回情報処理学会全国大会. Iー143. 143 (1991.10)
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[Publications] Shoichiro ASANO: "Standardization on Open Distributed Processing" The 4th International Workshop on Distributed Environment and Networks. 4th Rec.I-3 (1991.10)
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[Publications] 丸田 徹,計 宇生,浅野 正一郎: "同報通信を提供する広帯域スイッチのための複製分散段" 電子情報通信学会論文誌. 75ーBー1,3. (1992.3)
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[Publications] Shoichiro ASANO: "Japanese Inter-university Mail Service" INET Conferfence. INET Rec.6.2 (1991.6)