1990 Fiscal Year Annual Research Report
プロセス代数によるソフトウェア設計過程の形式化の研究
Project/Area Number |
02650260
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐伯 元司 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80162254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 肇 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (60016227)
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Keywords | ソフトウェアプロセス / 仕様化・設計法 / LOTOS / オブジェクト指向 / 形式的記述 |
Research Abstract |
ソフトウェア開発プロセスを,プロセス代数を基礎とする形式的仕様記述言語LOTOSによってモデル化する研究を行い,以下のような成果を得た. 1.ソフトウェア設計過程のモデル化の研究 オブジェクト指向分析・設計法,ジャクソン開発法,STATEMATE,GIST,LOTOSといった設計方法論や言語を用いた開発過程のモデル化を,Entity Relationship Modelを用いて行った.このモデルは,Process,Data,State,Eventといった6つの共通概念から構成されている. 2.LOTOS言語の記述スタイルの研究 形式的仕様記述言語LOTOSを用いて,どのように対象システム,対象プロセスを記述するかという記述スタイルの研究を行った.1の分析より,Event Oriented Style,State Oriented Style,Object Oriented Styleを提案した.これらのスタイルで記述を行ったときの評価を,仕様変更のしやすさという観点からおこなった.並列システムでは上位階層をObject Oriented Styleで記述し,下位階層をEventもしくはState Oriented Styleで記述していけばよいとの結論が得られた. 3.ソフトウェアプロセスのLOTOSによる形式的記述法の研究 ソフトウェア開発プロセス全体をプロセス中で行われる作業と,それらの作業を実行するための資源(人間や計算機)とに分けてモデル化を行った.2の成果より,LOTOSを用いて,作業はEvent Oriented Styleで,資源はObject Oriented Styleで記述するための方法論を構築した.さらに,実際のプロセスの記述実験を通して,本モデル化手法の有効性を確認した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐伯 元司: "ソフトウェイ仕様化・設計の方法論の形式化について" 情報処理学会ソフトウェア工学研究会. 72. 4-1-4-8 (1990)
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[Publications] 渡邊 智弘: "思考過程モデルに基づいたツ-ルを用いた仕様化作業の分析" 1990年度電子情報通信学会全国大学. 6. 6-43 (1990)
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[Publications] 佐伯 元司: "ソフトウェア設計の認知プロセス" International Software Process Symposium. 2-4 (1990)
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[Publications] 金子 剛: "LOTOSによるソフトウェアプロセスの形式的記述法" 情報処理学会ソフトウェア工学研究会. 78. 1-1-1-10 (1991)
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[Publications] 佐伯 元司: "ソフトウェアの知的な開発へ向けてーこれまでの反省と今後の課題" 人工知能学会誌. 6ー2. (1991)
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[Publications] 森谷 俊之: "内包的テンプレ-トによるソフトウェア記述プロセスの実現" 情報処理学会第42回全国大会. 42. 7S-1 (1991)