1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650262
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
阪田 省二郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20064157)
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Keywords | 代数幾何学符号 / 代数曲線 / 高速復号法 / 2次元BerlekampーMasseyアリゴリズム / 2次元整数格子上の全順序 |
Research Abstract |
代数幾何学符号は有限体上,多次元空間中の代数曲線に基づいて定義される誤り訂正符号である.これは,比較的最近ソ連の研究者が初めて提唱し,その符号系としての性能(誤り訂正能力と情報伝送率)が優れていることがいくつかの実例によって示され,目下有望視され世界的に研究されている符号系である.本研究の初年度である平成2年度においても,ソ連の研究者により,かなり一般的なクラスの代数幾何学符号に対する効率的復号法が学会誌に発表された.また,国内の研究会でも同様な研究発表がなされた.これらの復号法はいずれも受信語から得られる誤りに関する情報を含んだシンドロ-ムを係数とする連立1次方程式を解くことによって,誤り記号位置を求め,復号する方法である.一方,本研究者は以前に2次元線形フィ-ドバックシフトレジスタの最簡構成問題の解を求めるために考案した2次元BerlekampーMasseyアルゴリズムがある種の2次元的符号の復号に適用できるのではないかと考え,併せて,代数幾何学符号の復号への適用可能性についても検討してきた.本年度の成果として,先ず,2次元巡回符号のクラスの復号に2次元BerlekampーMasseyアルゴリズムを適用する方法を明らかにし,それがこの種の符号系に属するいくつかの復号法として有効であることを示した.しかも,その方法は代数幾何学符号に対しても拡張できる可能性が高いことを示唆する実例を与えた.次に,2次元BerlekampーMasseyアルゴリズムが2次元配列をスキャンする方向に関し自由度を有することを生かして,符号系によって様々な復号手順が導入できることを示した.一方,国内の研究者の発表した符号系の中にこの考えを当てはめる上で丁度適当な符号があることが解った.従って,直ちに取り掛かるべきこととして,この考えを実現することが先決となっている.これが実現されれば,より高速な復号法として有効であることが充分期待できる.
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[Publications] Shojiro Sakata: "Decoding Binary 2D Cyclic Codes by the 2D BerlekampーMassey Algorithm" IEEE Transactions on Information Theory. (1991)
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[Publications] Shojiro Sakata: "TwoーDimensional Shift Register Synthesis and Groebner Bases for Polynomial Ideals over an Integer Residue Ring" Proceedings of AAECCー7.
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[Publications] Shojiro Sakata: "A Groebner Basis and a Minimal Polynomial Set of a Finite nD Array" Proceedings of AAECCー8.
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[Publications] Shojiro Sakata: "Decoding Some AlgebraicーGeometric Codes by the TwoーDimensional BerlekampーMassey Algorithm" Proceedings of the 13th Symposium on Imformation Theory and Its Applications. 469-472 (1991)