1990 Fiscal Year Annual Research Report
光による神経細胞の刺激と細胞内現象の計測に関する基礎的研究
Project/Area Number |
02650285
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
村瀬 一之 福井大学, 工学部, 助教授 (40174289)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 慶治 福井大学, 工学部, 教授 (50029063)
|
Keywords | 興奮性アミノ酸 / ケ-ジド化合物 / 紫外線 / 修飾作用 / 神経細胞 / セカンドメッセンジャ- / ニュ-ロコンピュティング / 脳 |
Research Abstract |
平成2年5月初旬から市販の紫外線硬化樹脂用UVキセノン光源を改造した紫外線パルス発生装置の試作を開始し、7月末にはプロットタイプが完成した。以後、その機能が十分であるか確認しその応用範囲を明らかにするための生物実験を行なった。まず、急性単離したラット脊髄後角細胞の興奮性アミノ酸受容体チャネルにおいて、いくつかの修飾物質を明らかにした。そして、そのセカンドメッセンジャ-を知るために細胞に取り込ませた各種Cagedーmoleculeを光活性化させる実験を行ない、いくつかの知見を得たので現在その結果を取りまとめている。また、急性単離した心筋細胞のカルシウムチャネルの修飾機構を解析するためCagedーcAMPを用いた実験を行ない、その光活性化によって細胞膜Ca電流が2〜5倍に増大しその時間的経過から幾つかの知見を得たので現在その結果の解析を行なっている。さらに、このような神経修飾作用を工学的に応用した計算アルゴリズムについても研究をおこなった。 以上の応用実験から試作装置は充分実用に耐え得る事が判ったが改良すべき点も明らかになってきた。まず、細胞への光による悪影響を除くため光のスペクトルのうち300nm以下を除く必要が在ることで、現在そのフィルタを設計中である。また、光のスポットを直径10μm以下に絞ったものも有用なので、ファイバ-先端を球面研磨する方法と先端にキャップをかぶせる方法を試みている。そのほか、光強度を可変する事、最小照射時間をさらに短くする事なども検討課題でランプの駆動回路などの改良を試みている。
|
-
[Publications] K.Murase: "Serotonin suppresses NーmethylーDーaspartate responses in acutelyーisolated spinal dorsal horn neurons of the rat" Brain Research. 525. 84-91 (1990)
-
[Publications] T.Shirasaki: "Glycineーinsensitive desensitization of NーmethylーDーasparーtate receptors in acutelyーisolated mammalian central neurons" Neuroscience Letters. 108. 93-98 (1990)
-
[Publications] T.Nakagawa: "Effects of antagonists on NーmethylーDーaspartate response in acutelyーisolated nucleus tractus solitarii neurons of the rat" Neuroscience Letters. 113. 169-174 (1990)
-
[Publications] M.Yoshimura: "Effects of 6ーcyanoー7ーnitroquinoxalineー2,3ーdione on excitatory amino acid responses in acutelyーisolated spinal dorsal horn neurons of the adult rat" Neuroscience Letters.
-
[Publications] 村瀬 一之: "積和型素子による階層的神経回路網と修飾作用" 電子情報通信学会論文誌. J73ーDII. 1588-1592 (1990)
-
[Publications] 松永 豊: "階層型ニュ-ラル・ネットワ-クの中間層素子を自動削減する誤差逆伝播学習アルゴリズム" 電子情報通信学会論文誌.
-
[Publications] 村瀬 一之(マイコン技術研究会編): "異業種交流によるマイコン応用事例4.4章「神経の信号伝達と制御」" 共立出版, 241(174-186) (1990)