1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650294
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 研二 東京大学, 医学部, 助手 (70010030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 瞭 東京大学, 医学部, 助教授 (00009937)
斎藤 正男 東京大学, 医学部, 教授 (60010708)
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Keywords | 抗体固定化 / 有機膜 / プラズマ重合 / ヘキサメチルジシロキサン / 電界効果トランジスタ / 親水化 / アミノ基 |
Research Abstract |
本年度は研究計画に従い、電界効果トランジスタの上に抗体蛋白を固定化するための、有機膜の作成とその特性の評価を行った。有機膜の材質としては、シリコンとの接着性に優れている、ヘキサメチルジシロキサン(HMDS)を用い、プラズマ重合法により膜を作製した。有機膜表面には抗体固定化のための化学的反応基としてアミノ基を導入した。アンモニア気体中でプラズマ重合を行うことで、膜表面にアミノ基を直接打ち込む。この方法では、膜の表面に有効にアミノ基が生成しなかった。アミノ基特異的な結合性を持つ蛍光物質である,フルオレッセインイソチオシアネ-ト(FITC)の結合量は、アンモニア処理を行わない場合に比べても2倍程度で、非特異的な吸着とあまり違わない。また膜の表面は処理後も非常に疎水的である。この原因を、打ち込まれたモノマ-分子が、内部でお互いに結合を作ったり、フリ-ラジカルを生成しているためと推定し、そのような構造をできる限り安定な形に変換することを目的として、表面の還元・酸化処理を行った。還元の結果、有機膜の表面はやや親水化し、FITCの結合量も3倍程度に増加した。また酸化によって表面はかなり親水化するが、FITCの結合量はあまり増加しなかった。これらの方法は絶対量としては十分なアミノ基の生成をうながさなかった。酸化処理で見られた親水化は、酸化に用いた硫酸が有機膜上に基に結合したためと考えられる。この反応を利用することにより、有機膜上にアミノ酸を導入し、そのアミノ基を直接利用することを検討した。これによってアミノ基を効率よく導入することが出来ると同時に、表面が十分に親水化されるものと考えられる。側鎖にSH基を持つアミノ酸のシステインは、他のSH基とSS結合をつくり固定される。今後、有機膜上の硫酸を還元し、SH基を生成し、システインを有機膜表面に結合することを検討する。
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[Publications] 鈴木 誠一: "有機膜表面改質による固定化抗体の活性保持" 医用電子と生体工学 特別号 第29回日本ME学会論文集. 28. 84 (1990)
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[Publications] 鈴木 誠一: "Surface Modification of ImmunoーSemiconductor Sensor" Proceedings of Far Eastern Conference on Medical and Biological Engineering 1990. 272-273 (1990)