1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650297
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
阿部 武雄 新潟大学, 工学部, 教授 (40018453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 芳雄 新潟大学, 工学部, 助教授 (50115086)
仙石 正和 新潟大学, 工学部, 教授 (30002017)
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Keywords | FMーCWレ-ダ / 偏波 / 物体検出 |
Research Abstract |
この研究では,電気的に損失の多い湿った積雪中の埋没物を精度よく検出するための多偏波FMーCWレ-ダシステムの開発を目的とした。今まで1〜2GHzのLバンドマイクロ波周波数を用いて1チャンネルレ-ダ装置を作成し,そのシステム改良を続けてきたが,本年度,積雪中に効率よくマイクロ波を伝送するためのホ-ンアンテナの同軸導波管変換器を購入し,フランジを取り付けることによってアンテナにおけるインピ-ダンス整合を計った。これによってVSWR〓1.1程度にできた。送受信とも同じ規格のアンテナ(開口サイズ43cm×32cm)とし,それぞれの開口偏波面を手動で変えることによって,偏波情報を計測できるようなシステムに改良した。次に,この偏波可変なFMーCWレ-ダの性能を調べるため,実際の積雪地にて,平成3年2月2〜5日に物体の検出実験を行った。場所は新潟県古志郡山古志村である。まず,アルミ板(30cm×1m)をタ-ゲットとして積雪中の検出可能な距離(深さ)を測定した。その結果,従来に比べて約50cm程度検出可能距離が拡大し,最大で230cmまでレ-ダによって検知できた。この検出可能距離は積雪の雪質によって大きく変化するが,少なくとも従来よりは深部まで到達する。次に雪中に埋れた物体のイメ-ジングを行うために,金属パイプ(5cmφ×1m),人体をタ-ゲットとして,それぞれ深さ1m程度に埋め,積雪表面からレ-ダエコ-を取得した。特に偏波による情報取得を目的にデ-タ収集を行い,合成開口手法を取り入れて高精度なイメ-ジング結果を得ることができた。この実験結果の詳細については電子情報通信学会,IEEEで報告する予定である。イメ-ジング処理では,高速フ-リェ変換をはじめとする各種信号処理法を使い,偏波チャンネルごとに画像を得ているが,現在,いかに生デ-タの偏波情報をイメ-ジング精度向上に役立たせるか検討中である。
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[Publications] 阿部 武雄: "Experimental Study of Microwave Transmission in Snowpack" IEEE Trans.Geoscience Remote Sensing. 28ー5. 915-921 (1990)
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[Publications] 三本 雅,川上 温,山口 芳雄,仙石 正和,阿部 武雄: "FMーCWレ-ダによる物体の検出" 平成2年度 電子情報通信学会,信越支部大会講演論文集. 55-56 (1990)
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[Publications] 山口 芳雄: "合成開口FMーCWレ-ダについて" 電子情報通信学会技術研究報告. 90. 29-36 (1990)
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[Publications] 山口 芳雄: "FMーCWレ-ダによる雪に埋れたガ-ドレ-ル検出" 日本雪工学会誌. 7ー1. 2-8 (1991)
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[Publications] 山口 芳雄: "Detection of Objects Buried in Wet Snowpack by an FMーCW Radar" IEEE Trans.Geoscience Remoto Sensing. 29ー2. (1991)