1991 Fiscal Year Annual Research Report
負荷変化を考慮したプロセス制御系設計に関する基礎的研究
Project/Area Number |
02650303
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片山 徹 京都大学, 工学部, 教授 (40026175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤中 透 大阪府立大学, 工学部, 講師 (90190058)
酒井 英昭 京都大学, 工学部, 助教授 (70093862)
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Keywords | プロセス制御 / トラッキング制御 / 予見制御 / むだ時間 / 負荷変化 / 厳密な線形化 / 線形2次最適制御 |
Research Abstract |
昨年度の研究結果,われわれの対象である負荷変化を含む大きな目標値変更を伴うプラントの場合,プラントの非線形性がとくに重要になることが明かになった。このことに着目して最終年度では双線形プラントのトラッキング制御問題の研究を行った。最終年度において得られた主な結果は以下の通りである。 1.直達項をもつ非線形システムが座標変換と入力変換により入出力線形化可能であるため条件を与えた。 2.空間線形化法により入出力線形化されたシステムに対して初年度で考案した制御アルゴリズムを適用して,非線形制御系設計の新しい方法を提案した。 3.負荷変化を考慮した非線形完全混合槽型反応器(CSTR)のトラッキング制御について,入出力線形化,ディジタルトラッキング制御則,およびオブザ-バを組み合わせた新しい制御系の設計法を提案した。 4.非線形システムの空間線形化と線形制御系の設計法を組み合わせた場合,プラントパラメ-タの値が正確で,かつオブザ-バによる状態予測値が正確であれば,構成された閉ル-プ系は線形動的システムの挙動を示すので,理想的な制御系となる。しかし,実際にはプラントのパラメ-タは不正確で,しかも初期値の不正確さのためにオブザ-バによる状態の予測値も不正確となり,結果として閉ル-プ系は非常に複雑な非線形動的システムとなる。したがって,不確実なパラメ-タを有する非線形プラントに対する制御アルゴリズムのロバスト安定性を考察することが実用上きわめて重要である。現在,このような複雑な非線形システムのロバスト安定性を解析的に評価することが困難であるので,本研究では,プラントのパラメ-タを安定側および不安定側にそれぞれ20%変動させて,シミュレ-ションによりアルゴリズムのロバスト性を検証したに留まった。
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Research Products
(1 results)