1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650310
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
影山 和郎 東京大学, 工学部, 助教授 (50214276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 勇 東京大学, 工学部, 助手 (00143389)
鈴木 敏夫 東京大学, 工学部, 助手 (20010895)
金原 勲 東京大学, 工学部, 教授 (50011101)
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Keywords | 複合材料 / CFRP / 破壊 / 層間はく離 / 圧縮強度 / き裂進展 / 座屈後変形 / 破壊靭性 |
Research Abstract |
衝撃後圧縮強度の重要性から、層間はく離を有する複合材料板が圧縮荷重を受ける場合の、座屈後変形およびはく離進展挙動が注目されている。しかしこの問題では、はく離部の局所座屈ばかりでなく板全体の座屈を生じるため解析が複雑となる。本年度は、局所的破壊を拘束することなく圧縮試験が行えるサンドイッチ型圧縮試験片を用い、圧縮荷重下の層間はく離き裂進展実験を行った。 120℃硬化型エポキシ樹脂(東レ#2500)を一方向炭素繊維(東レT300)で強化した、公称繊維体積含有率60%、公称プライ厚さ0.125mmのプリプレグを6枚積層して試験板とした。層間はく離を導入するため、試験板中央面に長さ20mmのPTFEフィルムを積層時に挿入した。CFRP板の公称板厚は1.50mmである。このCFRP板を表面材としてハニカムサンドイッチ型圧縮試験片を作製した。エンドタブには厚さ1mmのGFRP織布材を用いた。 試験片を油圧チャックで保持し、電気ー油圧サ-ボ材料試験機にて圧縮荷重を負荷した。試験中の荷重と荷重点変位およびはく離部のたわみ(き裂開口変位、CMOD)を試験片両面にセットした1組のひずみゲ-ジ式変位計によって測定した。荷重ーCMOD線図の折れ曲がり点からはく離部の座屈荷重を求めた。き裂の進展は荷重ーCMOD線図上および目視により検出した。 これらの実験結果より、圧縮荷重下での層間はく離き裂伝播過程を実験的に明かにすることに成功した。はく離部での座屈開始、はく離き裂成長開始よりはるかに低い荷重で生じており、はく離部材の圧縮強度を最終的に支配しているのははく離き裂進展特性であることを示した。そのはく離き裂進展過程におけるエネルギ解放率を初等はり理論を用いて計算したところ、進展過程でほぼ一定の限界値を示すことを見いだした。その値は本供試材のモ-ドII破壊靭性値とほぼ一致し、線形破壊力学による整理の可能性も見いだした。
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