1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650317
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
馬場 信弘 大阪府立大学, 工学部, 講師 (10198947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 茂 大阪府立大学, 工学部, 助手 (30208136)
高松 健一郎 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10081390)
平野 進 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70081388)
姫野 洋司 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081394)
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Keywords | 自由表面 / 乱流 / 跳水 / ナビエ・スト-クス方程式 / 有限体積法 / 熱膜流速計 / 組織的構造 / 砕波 |
Research Abstract |
自由表面の1つの堺界とする自由乱流がその近傍でどのような構造を持つのか、そしてその構造がどのような力学的な機構で形成されるのかということを明らかにするため、初年度の研究成果を踏まえてさらに詳しい実験と計算を行った。 初年度は2次元開水路内を伝播する移動跳水について実験によって調べ、激しい乱れを伴うことを明らかにしたが、本年度はこの自由表面近傍の乱れについてさらに詳しいデ-タを取るため、開水路内に2次元バンプを置き、その後方で定常な跳水を再現した。これによって、乱れの構造を調べるのに十分長い計測時間のデ-タが得られた。初年度開発した熱膜流速計による計測・解析システムを多チャンネルの場合に拡張し、X型プロ-ブを用いて定常跳水前後の平均流速分布、乱れの強さの分布、レイノルズ応力分布を計測した。この結果、乱れは跳水の先端より発生し、平均流速が急減速される領域において急速に増幅され、同時に鉛直方向にも拡散されることがわかった。サ-ボ式波高計で計測した変動波高と観測結果から、この跳水による乱れの発生は跳水前面で起こっている小規模な砕波とそれに伴う空気連行と密接な関係があることが考えられた。 また、初年度に開発した2次元の計算方法を3次元に拡張し、自由表面を含む3次元の乱流の数値シュミレ-ションを可能とした。まず、非線形水面波の一種である孤立波の数値実験を行い、非線形な自由表面条件の離散化方法の整合性と精度を検討した。さらに自由表面を貫通する鉛直円柱まわりの粘性流に応用し、円柱表面に発達する堺界層および円柱から剥離した渦が自由表面と相互干渉する過程を明らかにした。また高フィ-ルド数では円柱での前方の円弧上の波が砕け、3次元の砕波によって乱れが生成されることが検証された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山本 久一: "柱体からの非定常3次元剥離に関する数値的研究" 関西造船協会誌. 215. 35-44 (1991)
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[Publications] Nobuhiro Baba: "A Numerical Investigation of Unsteady ThreeーDimensional Flow Separation from a Cylinder with the Diameter Varying Spanwise" Proceedings of 2nd Osaka International Colloquium. 1. 1-15 (1991)
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[Publications] 馬場 信弘: "ナビエ・スト-クス方程式の数値解を用いた非線形計画法による物体形状の最適化(第2報)" 関西造船協会誌. 216. 27-34 (1991)
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[Publications] 井上 実: "自由表面に適合する動座標系を用いた非線形水波の数値計算法" 第5回数値流体力学シンポジウム講演論文集. 1. 389-392 (1991)
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[Publications] 谷川 和男: "粘性抵抗最小化のために物体形状の最適化手法について" 第5回数値流体力学シンポジウム講演論文集. 1. 621-624 (1991)
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[Publications] 井上 実: "自由表面適合座標系を用いた有限体積法による非線形水波の計算" 関西造船協会誌. 217. (1992)