1990 Fiscal Year Annual Research Report
応力波動伝播差効果を利用したショックアブソ-バ-に関する基礎的研究
Project/Area Number |
02650320
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸 徳光 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (30153076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅田 紀之 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (80187632)
中野 修 開発土木研究所, 構造研究室, 室長
松岡 健一 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10003170)
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Keywords | 緩衝材 / 応力波動伝播 / 三層構造 / 複合構造 / EPS材 / ロックシェッド |
Research Abstract |
覆工構造の場合には敷砂によって衝撃力を緩和している。しかしながら緩衝効果が向上する反面敷砂及び屋根部の自重によってトップヘビ-構造となるために耐震工学上より基礎部断面が大きくなることも指適されている。また、原子力発電施設構造物においてもコンパクトな緩衝材を付設することが可能であれば部材の小型化、裏面剥離や貫通に対する安全性,信頼性が格段に向上するものと考えられる。 ここでは、上記欠点を克服できるような軽量で効果的なショックアブソ-バ-を設計することを目的として弾性波速度の遅い材料と速い材料から構成される三層構造体を用いたアブソ-バ-を考え、理論的、実験的検討を行った。 本研究より求められた研究成果を列挙すると次のようである。 1).三層構造体の表裏材として用いる軽量なEPS材の衝撃吸収性能はほぼ砂層と同様の効果がある。 2).砂あるいはEPS材を緩衝材として単独で用いる場合は、いずれも分散効果を期待できない。 3).芯材としてRC,PCスラブを用い、表材として砂あるいはEPS材を用いる三層緩衝構造体の場合は、砂層やEPS材を単独で用いる場合に比べ、5〜7倍程度の緩衝効果があることが明らかになった。また、裏材の厚さの効果は芯材のそれに比べて小さく、芯材と本構造を絶縁する程度で十分であることが明らかになった。 4).芯材はより剛性の大きい(弾性波速度の速い)ものほど緩衝効果があることがわかった。 5).数値解析プログラムの開発により、三層構造の緩衝効果について数値的に確認することができた。今後実験デ-タを用いた解析を行い、実験結果との比較検討を行いたいと考えている。
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[Publications] 岸 徳光: "EPSを用いた複層緩衝構造の落錘衝撃実験" 土木学会北海道支部論文報告集. 第47号. 131-136 (1991)
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[Publications] 佐藤 匡之: "重錘落下衝撃に対する砂およびEPS材の緩衝効果" 土木学会年次学術講演会講演概要集(第1部). 第45回. 500-501 (1990)
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[Publications] 松岡 健一: "衝撃力を受ける単純支持RC矩形板の動的挙動" 土木学会北海道支部論文報告集. 第47号. 119-124 (1991)
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[Publications] 菅田 紀之: "H形鋼を用いた門型ラ-メンの弾性衝撃実験" 土木学会北海道支部論文報告集. 第47号. 137-142 (1991)
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[Publications] 中野 修: "EPSを用いた落石覆道の緩衝材構造について" 落石等による衝撃問題に関するシンポジウム講演論文集. 65-68 (1991)
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[Publications] 岸 徳光: "衝撃荷重載荷用ロ-ドセルの試作" 落石等による衝撃問題に関するシンポジウム講演論文集. 115-118 (1991)