1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650324
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土岐 憲三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 純史 京都大学, 防災研究所, 助手 (00161597)
家村 宏和 京都大学, 工学部, 助教授 (10026362)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027294)
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Keywords | 長大土木構造物 / 耐震設計 / 免震構造 / 制震構造 / 動的相互作用 / 動的破壊規範 / 地震エネルギ- / 震動制御 |
Research Abstract |
土木構造物の耐震設計に際して用いるべき設計加速度が最近次第に高く設定される傾向にあり、構造物の長大化とあいまって、従来の設計法では部材の設計が不可能になる場合も生じる。こうした観点から、設計地震力を大幅に減少できる構造として、免震ならびに制震構造が脚光を浴びるようになった。ここでは、原子力発電施設や長大橋梁などの構造物に免震・制震構造を適用する場合に考慮しなければならに問題点を抽出すると共に、その解決法を提案することを目的とした。 まず、免震構造物の応答を推定するための方法論を研究開発した。このために、既に開発済みの滑動や剥離現象ならびに地盤構造物系の非線形動的相互作用効果を考慮できる動的数値解析法を用いて、免震材料の特性や入力地震動の周波数特性が免震構造物の応答特性に及ぼす影響を詳細に検討した。建物の復元力をオンラインで調整して構造物の応答を制御する方法や入力される地震エネルギ-を構造物内に設けられるエネルギ-吸収装置で消費する工法などの比較を行い、構造物の動特性が地震動の特性に反応して変化するような自動制御機能を有する制震構造物の可能性について研究を行うとともに、これらを考慮した震動制御のためのアルゴリズムを開発した。さらに、免震ならびに制震構造を有する構造系の動的破壊規範として何を用いるべきかについて検討を加えた。このために、最大勒性率変位応答、累積損傷度、累積塑性変形または累積履歴消費エネルギ-などを用い、これらの間の相互関係を明らかにした。地震の発生確率、地盤の破壊確率、免震構造の破壊確率、構造物の破壊確率について相互の比較を行い、こうした面から、免震・制震構造の適用可能性に検討を加えた。以上の2年間にわたる研究結果をまとめることによって、免震・制震構造の耐震設計基準の試案となる多くの有用な知見を提示できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 土岐 憲三,佐藤 忠信,橋本 雅道: "作用時間遅れを考慮した構造物の震動制御" 土木学会論文集. No428. 193-202 (1991)
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[Publications] 土岐 憲三,佐藤 忠信,松島 秀典: "地盤ー構造物系の動的相互作用を考慮した震動制御" 震動制御コロキウムPART.B講演論文集. 257-263 (1991)
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[Publications] 土岐 憲三,橋本 雅道,佐藤 忠信,松島 秀典: "地盤構造物系の動的相互作用を考慮した震動制御" 第2回システム最適化に関するシンポジウム講演論文集. 15-20 (1991)