1990 Fiscal Year Annual Research Report
損傷評価の信頼性向上のための部分波分解超音波診断法の提案
Project/Area Number |
02650327
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
北原 道弘 東海大学, 海洋学部, 助教授 (60135522)
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Keywords | 超音波診断法 / 部分波分解法 / 位相シフト / 損傷評価 / 非破壊評価の信頼性 |
Research Abstract |
構造部材の損傷評価を,超音波法を利用して行う場合の信頼性向上のために一試案として,理論物理学の分野で広く知られる部分波分解法を超音波による損傷評価に取り入れ,損傷評価の定量化策を提案するために今年度は次の手順により研究を進めた。 1.素粒子の衝突による散乱問題と欠陥による弾性波の散乱問題における各物理量の対応関係の確認 素粒子の衝突問題には見られない本研究課題におけるポイントは,部分波分解における各部分波の位相と微小欠陥の性状をどれだけ定量的に関係付けられるかにあり,本研究では欠陥による散乱波の遠方での積分表現を位相の定量化のための道具として用いることとした。この積分表現は,欠陥の形状・物性,欠陥と母材の界面メカニズムなどと直接関係している。 2.欠陥性状と位相シフト(位相のずれ)の関係の部分波分解法的定式化と数値実験 欠陥による散乱波の積分表現を利用して,次の手順により位相シフトと散乱体性状の関係式を具体的に導いた。(1)遠方散乱場の散乱振幅の表現,(2)散乱振幅と散乱エネルギ-の関係式,(3)散乱エネルギ-と散乱波の位相シフトの関係式,(4)位相シフトと散乱体性状の積分関係式 本年度は,弾性波の散乱問題の基礎となる3次元Helmholtz方程式に対し,これらの関係を数値的に検証し,(1)散乱体形状の相違により遠方散乱場の位相に明確な差異が認められること,(2)各部分波の位相シフトの収束性は良好であることなどが確認できた。今後,散乱場の位相シフト量から逆に散乱体性状を決める方策を含め,定量化のための具体策についてさらに研究を進める。
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[Publications] Kitahara,M.: "BEM application to phase shft analysis" Boundary Elements XII (Eds.Tanaka,M.,Brebbia,Brebbia,C.A.and Honma,T.;SpringerーVerlag). Vol.1. 581-592 (1990)
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[Publications] 五月女 晃久: "散乱波動の一位相解析手法" 平成2年度土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 6-7 (1991)