1990 Fiscal Year Annual Research Report
若材令コンクリ-トの耐凍害性とその評価法に関する基礎研究
Project/Area Number |
02650331
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 泰彦 筑波大学, 構造工学系, 助教授 (40061220)
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Keywords | 耐凍害性評価 / 若材令コンクリ-ト / 積算温度 / 相対動弾性係数 / 長さ変化 / 初期凍害 / セメントの水和 |
Research Abstract |
本年度の研究計画に対応させた研究実績の概要は以下のようである。 まず、凍結融解を受けている間における若材令コンクリ-ト中のセメントの水和が進行する影響に関しては、(1)若材令コンクリ-トであっても、通常の急速凍結融解試験中におけるセメントの水和は、当初の予想したほど顕著には進まないこと、(2)しかし、若材令であるが故に、僅かなセメントの水和の増加が圧縮強度や動弾性係数を著しく増加させること、(3)凍結融解サイクルを受けている間におけるセメントの水和による圧縮強度や動弾性係数の増加は、0℃以上の温度領域に通常の積算温度式を適用し、氷点下の温度となる範囲にNyka^^¨nenの積算温度式を適用することによって、極めて精度良く推定できること、等が明らかになった。 若材令コンクリ-トの耐凍害性の評価手法に関しては、上記(3)の結果を利用して凍結融解試験中における動弾性係数の増加を補正すれば、一般に用いられている相対動弾性係数による評価法が若材令コンクリ-トにも適用できることが明らかになった。また、セメントの水和が進む影響が極めて少ない特徴に着目して、長さ変化を利用した評価方法の適用性についても検討し、これも有用な指標となり得る特性を有していることが判明した。しかし、後者の方法に関しては、その具体的な評価手法を提案する段階には至っておらず、現在さらに検討を進めている。 満足すべき耐凍害性を保証する所要圧縮強度を検討する研究項目に関しては、当初の予定の試験を完了した。しかしながら、その結果を解析したところ、この最終的な結論を出すためには、試験開始時の圧縮強度が50〜200kgf/cm^2の範囲にあるものを対象とした補足試験と内部劣化の修復効果に関する追加試験を行う必要のあることが判明した。したがって、この項目については、平成3年に検討したい。
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