1990 Fiscal Year Annual Research Report
締固め土の圧縮・圧密特性と高盛土の沈下予測に関する研究
Project/Area Number |
02650348
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
成田 国朝 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90064956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 哲夫 愛知工業大学, 工学部, 講師 (70078913)
建部 英博 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10064940)
大根 義男 愛知工業大学, 工学部, 教授 (00064931)
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Keywords | 盛土 / フィルダム / 圧縮・圧密 / 沈下 / 締固め土 / 先行応力 |
Research Abstract |
本研究では、まず締固め土の載荷直後の瞬時沈下(不飽和圧縮)と脱水に伴う圧密沈下との定量的関係を見出すために、種々の含水比・密度に締固めた盛土材料に対して大型三軸試験装置を用いたK_0圧密試験を実施した。載荷重を増しながら非排水・排水時の沈下量を比較したところ、載荷初期の瞬時圧縮量は一次圧密量の数倍に達すること(一次圧密比は0.1〜0.4)、1次圧密比は載荷圧力の増加とともに減少する傾向にあるが、供試体の飽和度や密度にはあまり影響されないことなどが判明した。次に締固め土の転圧に伴う先行圧縮応力の特性と、先行圧縮前後の間隙圧・沈下挙動を調べるために、上記と同様の条件で作製した締固め供試体に対して等体積一面せん断試験を実施した。先行圧縮応力については供試体の飽和度や密度、更に粘土分含有量の影響を調べたが、同じ影響が一軸圧縮強度にも反映され、先行圧縮の効果を表す等価な指標になり得ることが示された。 以上の実験結果を踏まえて高盛土の沈下予測に関する解析的検討を行い、予測手法の見直しと実際問題への適用について議論した。本研究では盛土を微小厚の水平土層に分割し、テルツアギの一次元圧密解を時間をずらして重ね合わせる形と堤体の圧密沈下に関する解析的表示を導いた。そして、移動境界の圧密問題に関するギブソンの理論解と対比しながら、フィルダムや高盛土の実例について,それぞれの手法を用いて実測値の整理・解析を行い、逆推定した物性定数の変動や沈下予測式の適用性について考察を加えた。この結果、1)施工中と施工後の圧密度の比率や施工後の沈下特性において解析的アプロ-チによる差異はあまり見られない、2)施工後の沈下挙動は簡単な指数関係式で表現できる、3)ただし実際問題への適用に当たっては、締固め土に関する上記の特性を加味して物性値を決定する必要がある、などが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 成田 国朝: "高盛土の沈下特性に関する二、三の検討" 第2回地盤工学シンポジウム(土質工学会中部支部)講演集. 65-70 (1990)
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[Publications] 成田 国朝: "高盛土の沈下特性に関する二、三の検討" 第45回土木学会年次学術講演会講演集. 284-285 (1990)
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[Publications] 成田 国朝: "盛土の圧密沈下に関する検討的研究" 土質工学会論文報告集(原稿No.1192).