1990 Fiscal Year Annual Research Report
開水路粗度急変部における流れの遷移と流砂機構に関する研究
Project/Area Number |
02650359
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村本 嘉雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 佳一 明石工業高等専門学校, 助手 (60214722)
藤田 裕一郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (90027285)
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Keywords | 粗度急変部 / 護床工 / 局所洗掘 / イボ型粗度 / 非平衡流砂 / 河床変動 / 現地観測 |
Research Abstract |
本研究では,イボ型護床ブロックの粗面から移動床への粗度急変部を対象とした局所洗掘過程の基礎実験と水理解析を行うとともに,実際河川の堰直下流に設置された護床工周辺の河床形状の実測と検討を行った。 まず,粗度急変部の局所洗掘に関する基礎実験では,ホロ-スケア模型からなるイボ状粗面に続く均一砂床の河床変動を,靜的および動的洗掘条件下で測定し,両者ならびに床固め下流の局所洗掘に関する既往の実強における最大洗掘深と洗掘範囲の時間的変化の特徴を明らかにした。一方,動的洗掘過程を5段階に分け,各洗掘段階の固定砂床上で流速分布,底面せんだん応力および底面圧力の分布を詳細に測定し,洗掘の進行に伴うそれらの分布の変化とブロック粗度要素の影響について考察した。その結果,護床工直下流の洗掘形状は,各ブロック間の測線上で深掘れが著しく横断方向に凹凸のある3次元的な形状を示すが,縦断形状は時間的にほぼ相似であって,最大洗掘深が粗度変化点からその洗掘深は時間的にほぼ相似であって,最大洗掘深が粗度変化点からその洗掘深の3〜5倍の距離が生じること,砂床上の摩擦速度は,初期状態では粗度変化点付近に最大値(下流等流部の2倍)があって流下方向に低減するが,洗掘の進行とともに洗掘減の摩擦速度が急激に減少し,最終平衡状態では粗度変化点下流で最小値(砂の移動限界以下)をとり,流下方向に増加することが示された。この摩擦速度の測定値と非平衡流砂量式を用いて洗掘過程の計算を行い,実験値にほぼ対応する結果を得た。 つぎに,加古川水系万願寺川の西脇井堰の護床工下流における平水時と出水直後の河床測量を行い,実験で得られた3次元的な洗掘形状が現地でも形成されること,最大洗掘深を用いて無次元化した河床縦断形状の特徴が最大洗掘深の発生位置とその上流斜面の勾配に関して実験結果と一致するが,下流斜面の勾配は減水期の埋め戻し過程の影響を受けて実験値のそれより緩くなっていることなどを明らかにした。
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