1990 Fiscal Year Annual Research Report
ポテンシャル接続法を用いた有限振幅波に関する境界値問題解析法の開発
Project/Area Number |
02650364
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 明徳 九州大学, 工学部, 助教授 (30117288)
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Keywords | ポテンシャル接続法 / 選点解法 / 有限振幅波 / 波動境界値問題 / 非線形干渉 / 海岸構造物 / 没水水平版 / 潜堤 |
Research Abstract |
有限要素法や境界要素法に比べて精度が良いポテンシャル接続法を、摂動展開法と併用して非線形問題(定常)の解析法を見いだすことを目的に研究を行った。この際、理論式の展開が煩雑となって実質上非線形問題への適用は困難である従来のポテンシャル接続法に代えて、きわめて簡潔な解法(選点解法)を提示し、これを用いた簡便で精度のよい有限振幅波(スト-クス波)に関する非線形問題の解析法を提示した。 1.まず、理論式の展開が比較的容易な2次元問題について、普遍的な形状の構造物と海底地形を対象に、有限振幅波(スト-クス波)の2次のオ-ダ-までの理論式の展開をおこなった。 2.ついで、もっとも簡単な矩形ステップ地形を対象に、理論式に基づいて数値計算プログラムの開発を行った。この際、選点解法を用いたことによって、非線形計算であってもプログラム作製がきわめて簡潔となることが確かめられた。 3.種々の波の条件について数値解析を行い、1次解の打ち切り項数や二次の計算に用いる一次解の項数が、二次の解析結果に与える影響について詳細な検討をおこなった。これにより、精度良い解を得るための数値計算手法の詳細を得た。 4.没水の水平版防波堤と矩形の潜堤について数値計算プログラムの作製と数値解析をおこなって、これらの構造物と波との非線形干渉効果を明らかにした。 5.さらに、水槽実験を行って構造物近傍の波高分布と構造物に作用する波圧を測定し、解析解と比較して理論解析の妥当性を検証した結果、没水水平板および矩形潜堤の上の水深において、波の非線形性を表すパラメ-タ-であるア-セル数が50以下である場合については、提示した解析法によって十分な精度で実際の現象が推定できることを確かめた。
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Research Products
(1 results)