1990 Fiscal Year Annual Research Report
都市ごみ埋立層における酸素移動機構と酸素消費反応の動力学の研究
Project/Area Number |
02650376
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 信壽 北海道大学, 工学部, 教授 (90133701)
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Keywords | ごみ埋立 / 酸素侵入 / 酸素消費 / 反応速度 / 多孔質 / 拡散流れ |
Research Abstract |
1)集排水管近傍のごみ層の酸素消費速度及び間隙構造測定実験について 焼却灰、不燃ごみ、混合ごみカラムを作り、これを好気性状態に維持することで各々のごみ層の集排水管近傍の好気性ゾ-ンの酸素消費速度R_<02>(浸出水中BOD除去速度)を、酸素分圧P_<02>を変えながら測定した。その結果、R_<02>がP_<02>の関数でしかもmonod型の速度式で表現できることが分かった。単位ごみ層容積当りの最大R_<02>は標準活性汚泥法のBOD容積負荷に相当し、好気性ごみゾ-ンの持つBOD浄化能力は相当に大きいことが分かった。このことが準好気性埋立構造埋立地における浸出水早期安定化の根拠であることが示唆された。 また、砕石層のR_<02>は、他のごみ層のそれに匹敵することが分かり、集排水管近傍における浸出水中BOD除去の解析において砕石層の効果を無視できないことが分かった。 2)湿潤ごみの好気性分解反応速度の定式化 コンポスト反応を解析するためのパラメ-タ-は多く、実験デ-タからのみでは十分に解析できない。そのためには、好気性微生物の増殖率や死滅係数などの定数を他の研究から集める必要があるが、まだ十分ではない。 3)埋立地内の管路網での空気流動の理論的解析 1.5m程度の管径の集排水管を使うと、少しの内部温度の上昇で1m/s程度の空気流速が得られることが理論的に分かった。この流速を低下させるもっとも大きな因子の一つは、管内の詰まりであることが分かった。また、管網の計算では少しの管路条件の変更で空気の流動状況が大きく変わるが、流入する空気量には大差のないことなどが分かった。 次年度は、個々の課題を進めると共に、3つの課題を総合する試みを行い、準好気性埋立地の浸出水集排水管の設計について具体的な提案を行いたい。
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[Publications] 松藤 敏彦,田中 信寿,柴田 清,神山 桂一: "埋立地集排水管内ガス流れの数値シミュレ-ション" 土木学会第45回年次学術講演会講演概要集. 第2部. 976-977 (1990)
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[Publications] 柴田 清,田中 信寿,松藤 敏彦,神山 桂一,平田 雄彦: "廃棄物埋立処分場浸出水集排水管近傍における有機汚濁浄化能に関する実験的研究" 土木学会第45回年次学術講演会講演概要集. 第2部. 984-985 (1990)
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[Publications] 田中 信寿,松藤 敏彦,柴田 清,神山 桂一: "準好気性埋立構造廃棄物処分場のBOD浄化機能に関する理論的研究" 土木学会第45回年次学術講演会講演概要集. 第2部. 986-987 (1990)
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[Publications] Toshihiko MATSUMOTO,Nobutoshi TANAKA,and Keiichi KOYAMA: "Stabilization Mechanism of Leachate from SemiーAerobic Sanitary Landfills of Organicsーrich Waste" SARDINIA 91 third international landfill symposium,cagliari,italy,14ー18 october,1991. (1991)
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[Publications] 田中 信寿,神山 桂一: "廃棄物埋立処分地におけるガス及びガス成分の移動についてー廃棄物層・土壌層を流れるガスの移動方程式とその応用ー" 廃棄物学会誌. 2(1). 46-58 (1991)