1991 Fiscal Year Annual Research Report
下水汚泥溶融スラグの結晶化機構と強度発現に関する研究
Project/Area Number |
02650379
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
桃井 清至 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60003852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝沢 智 建設省土木研究所, 下水道部, 研究員 (10206914)
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Keywords | 下水汚泥 / 溶融スラグ / 核形成 / 結晶成長 / 塩基度 |
Research Abstract |
近年,下水汚泥の減量化あるいは建設資材として有効利用するために1300〜1500度溶融処理し,スラグ化する技術の開発が進められている。しかし,スラグ(骨材)の性質は融液の冷却方法あるいは汚泥中の無機成分の性状によって,ガラス質から結晶質まで変化する。 そこで,スラグの有効利用拡大の立場からスラグの結晶化機構と強度発現因子について検討し,次のような結果が得られた。 1.溶融温度の低下改善について。 下水汚泥中のSiO_2含有量が増大すると,融液の粘性が増大し,溶流温度も上昇する。溶流温度を低下改善するには,汚泥にNa分,Ca分を添加し,塩基度(CaO/SiO_2)を約1.0前後に調整し,また,Na_2O/CaO比を0.2〜0.4に調質すると,溶流温度は調質前に比べ約200度程度低下する。この調質によって得られるスラグはガラスの性質が消失し,結晶化しやすいことが判明した。 2.温度制御による結晶化スラグの製法について 平均的高分子下水汚泥溶融スラグの最大核形成温度と最大結晶成長温度は約700度,1100度であった。 冷却過程において,融液を約1100度前後で1時間保持すると,結晶が容易に進行し,核形成温度よりも結晶成長温度域の方が支配的となることが指適された。 3.スラグの強度発現について スラグの強度はSiO_2含有量の影響を受ける。スラグのすりへり減量試験結果では,SiO_2含有量が30%未満では普通骨材に比べもろいが,30%以上になるとすりへり減量は15%程度と安定していた。
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[Publications] 桃井 清至: "下水汚泥の溶融特性と結晶化に関する研究" 環境技術. 20. 445-450 (1991)
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[Publications] 日本化学会編(共著): "リサイクルのための化学" 大日本図書, 196 (1991)