1990 Fiscal Year Annual Research Report
構造特性および入力地震動特性の変動を考慮した建築物の地震時応答特性の評価
Project/Area Number |
02650389
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和泉 正哲 東北大学, 工学部, 教授 (10005506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛田 潤 東北大学, 工学部, 助手 (90217521)
野村 希晶 東北大学, 工学部, 助手 (80125632)
栗田 哲 東北大学, 工学部, 助教授 (90195553)
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Keywords | 固有振動特性 / 地震入力 / 散乱波 / 変化 / 変動 / ばらつき / 免震建物 / 杭基礎建物 |
Research Abstract |
(1)比較的地盤の影響の少ない低層RC建物、剛性が小さい特殊構造物である免震建物、軟弱地盤上の杭基礎建物について、多くの地震において得られた多点同時記録を用い、統計的伝達関数とコヒ-レンス関数、および固有振動特性の同定手法を適用して、振動システムの特性とその変動を調べた。長期的な不可逆的変化、地震毎のばらつき、および各地震中での系統的変動とランダムな変動を区別し、それぞれが構造物や周辺地盤の状況によって異なることを示している。 (2)上記の結果に基づき、簡単な質点系モデルの固有振動性状に実記録から得られた変化・変動・ばらつきを与え、確定入力に対する応答特性を調べた。特に減衰定数の変化は影響が大きいが、一方で、特定の地震中での減衰定数の変動の影響はむしろ小さい。 (3)地盤系(比較的浅い部分)に関して(1)と同様に実記録の特性を整理し、固有振動特性の変化・変動の傾向の相違がかなり大きいことがわかった。これらを系統的に整理するには現状ではサンプル数が不足している。 (4)成層地盤の各層内における媒質の定数に不均質なばらつきがある場合に、その影響として生じる波動成分(散乱波の一種)について、その確率的性質(平均値と分散)を解析的に求める手法を開発した。実際に存在する地盤のモデルに、散乱波成分を考慮できるこの手法を適用して伝達関数を求めたところ、全体に良く実現象を表現し、数Hz以上の周波数域では散乱波成分による変動が優勢であるという結果が得られた。この時に、各層の定数に与えるばらつきを実記録との整合で適切に設定する必要があり、今後の課題である。
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Research Products
(1 results)