1991 Fiscal Year Annual Research Report
ウォ-タ・フロント埋立地の杭支持建物の長期沈下予測に関する研究
Project/Area Number |
02650412
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
富山 昭宏 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (50064449)
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Keywords | 杭先端長期沈下 / 瞬時弾性沈下 / 瞬時塑性沈下 / 粘弾性沈下 / 粘塑性沈下 / 粒子移動 / 粒子破砕 / 模型実験 |
Research Abstract |
著者らが大阪のウォ-タ-・フロント埋立地の杭支持建物の長期沈下を測定した結果、杭先端が支持層に貫入していることが分かった。この現象を解明するためには著者は、杭先端と地盤との関係を粘弾塑性モデルを仮定して解析し、良い結果を得ている。ところが杭先端の粘弾塑性モデルの物理的意味が必ずしも明確でないので、本研究においてはこれを明らかにすることを目的とした。 そのためにチョ-クを壁状に積み上げた模型礫地盤とチョ-クの隙間にチョ-ク粉末を充填した模型砂礫地盤を造成して二次元モデル実験を行い、更に砂を使用した模型地盤に模型杭を設置して長期沈下測定試験を行った。 その結果、次のような知見を得た。杭先端の瞬時弾性沈下は砂礫粒子の弾性変形と砂礫粒子の微小な移動によって生じる。瞬時弾性沈下は砂礫粒子の移動による間隙変化によって生じる。粘弾性沈下は砂礫粒子の粘弾性変形によって生じるが、その量は少ない。粘塑性沈下は砂礫粒子の破砕と粒子移動によって生じ、荷重の小さい段階から粘塑性沈下は発生し、荷重と共に双曲線的に増大し、杭先端の極限沈下につながる。 以上の知見のうち、瞬時弾性変化に係わる砂礫粒子の弾性変形と粒子移動の比率や粘塑性沈下に係わる砂礫粒子の破砕と粒子移動の比率については今後さらに詳細な研究を行って決定する必要がある。 さらに本研究の研究目的の一つである現行の地盤調査法による杭先端沈下の予測方式については標準貫入試験デ-タ-より、予測することは現状では困難であることが分かったので、コ-ン貫入試験デ-タ-を使用して予測した。
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