1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02650418
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 康郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 講師 (30027924)
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Keywords | 気象デ-タ / 全天日射量 / 直達日射量 / 散乱日射量 / 線形回帰分析 |
Research Abstract |
建物の空調計画等、基本計画において熱的設計の初期段階を遂行する際、即応的に熱的諸量の発生の確率分布を求め得る手法の構成を目途として、本研究では、入力となる主要な気象要素の1つである日射量について、全天及び、その内訳としての直達と散乱の2成分の間の相互関係を実デ-タに基づいて分析し、線形関数による表現の方法を探求した。日積算量をベ-スとした検討によって次の知見を得た。分布では、直達は下位値の頻度が突出し、丘状の散乱と合成された全天では2峰性が顕著となった。ここで、全体分布を2つの分布の重畳形で表現する基本的考え方を得た。収集の長期デ-タで検出された性質は、より短期の他地域デ-タでも確認され、本研究で新たに実測された結果についても現れたが、統計的にはこのデ-タ量は不足であり、地域差のパラメ-タ化推進のためには今後のデ-タ集積が必要である。日射量の相互関係を散布図のよって観察すると、単一変量について立てた仮説“2つの分布の存在"は、日射量のどの組み合わせについても合理性を有することが確かめ得た。地域によっても、よく似た散布傾向が示されており、また、月別の散布図比較でも、値域が異なるだけで散布形態はよく似ているという性質が見いだされた。散布図上に現れた2群の各々について、線形の密集度はかなり高いと判断された。全天日射量月平均値を閾値とした標本分離を行い、分離した標本集合について線形回帰分析をおこなった。直達においては、全天による単純線形回線が実分散の90%以上を説明できるという結果を多く得た。以上の知見より、気象現象の全体分布に関し“2分布の重畳形"という表現を統一的に導入する可能性が予見され、他の気象要素との同時分布について線形表現性を探りつつある。
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Research Products
(2 results)