1990 Fiscal Year Annual Research Report
住宅の火災安全性の評価法と設計法の開発に関する研究
Project/Area Number |
02650427
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
室崎 益輝 神戸大学, 工学部, 教授 (90026261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 一嘉 神戸大学, 工学部, 助手 (30158802)
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Keywords | 防火設計 / 超高層住宅 / 避難安全 / 論理型モデル / 死者発生パタ-ン / 安全化シナリオ |
Research Abstract |
1.住宅安全評価法の開発 住宅の避難の安全性を評価するための「論理型」モデルの開発を行った。避難の安全性の確保という目標を達成するための要素(要因)間の相互関係や階層関係に着目したツリ-構造を基本論理とするモデルで,要素間の論理積や論理和を計算することにより,システムとしての成功確率を求め,それによって安全性を評価するモデルで,超高層住宅にも低層戸建住宅にも適用できる,極めて汎用性の高いモデルである. このモデルを用いてケ-ススタディを行ったところ,スプリンクラ-の設置,バルコニ-もしくは避難器具の設置,さらには警報装置の設置が有効なことが明らかとなった。 2.住宅火災死者発生パタ-ンの分析 過去5年間に京都,大阪,神戸の各都市で発生した住宅火災で,死者の発生した事例を収集し,その死者発生パタ-ンを「行動無余裕型」「行動不自由型」「機会逸失型」「退路喪失型」に分類し,それぞれについて死者発生要因を整理した。この結果は,1の「住宅安全評価法」に組みこんだ. 3.住宅安全化シナリオの作成 高層住宅等の防災計画書を収集し,そこに示されている防災対策を整理分析することにより,早期避難型,安全経路確保型,延焼拡大防止型などに住宅安全化をはかるシナリオを整理した。この結果についても,1の「住宅安全評価法」に反映させた. 4.住宅安全性能の基準化 安全評価法を用いたケ-ススタディ結果を参考に,住宅種別ごとに要求される安全性能と,それを満すための要件の整理を行った。ただし,まだこの作業は継続中であり,今後の課題として残されている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 室崎 益輝,大西 一嘉: "住宅火災の死者発生要因に関する研究" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 30. 769-772 (1991)
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[Publications] 室崎 益輝: "住宅の安全性評価法に関する研究" 日本建築学会大会学術講演梗概集 E. (1992)