1991 Fiscal Year Annual Research Report
戸建感醸成の観点よりみた集合住宅の計画に関する研究
Project/Area Number |
02650430
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Research Institution | HIROSHIMA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
森保 洋之 広島工業大学, 工学部, 教授 (80016542)
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Keywords | 集合住宅 / 中層集合住宅 / 高層集合住宅 / 戸建感 / アクセス形式 |
Research Abstract |
1、広島市庚午南住宅居住者調査結果の更なる解析を行った。その結果、(1)入居前に戸建感を感じない人が入居後それを感じる人が多く、庚午南住宅の戸建的集合住宅の意味は大きいこと,(2)庚午南住宅入居後に戸建感を感じた居住者は、この住宅への永住意識を高いこと,(3)外部専用階段の接地性向上への効果がうかがえること等々が得られた。 2 庚午南住宅以上の事例調査を変更し、大学建築学科学生調査を行った。その結果、(1)戸建感のイメ-ジについては、独立(戸建,単位),個性,接地,専用庭付き,高いプライバシ-といった単位性,接地性,領域性に関するものが得られた。(2)戸建感を醸成する要素の抽出及びその要素の強さ(戸建感への寄与の度合)を得た。 3、上記の1、2の調査の戸建感を醸成する要素に関するクラスタ-分析を行った。その結果、(1)両者はクラスタの数,クラスタ-の樹形等が多少異なること,(2)しかし、全体的にみると、単位性を中心に,接地性,領域性の3つの観点より各クラスタ-が位置づけられること等々が得られた。 4、国内・外の事例より、上記のクラスタ-(学生調査での12クラスタ-を採用)別に、戸建感を表現する計画的要素・手法について整理し、示した。 5、まとめ;(1)戸建感醸成の観点より集合住宅の計画を行うことに対して居住者は肯定的といえ,戸建感醸成への各種要素に対して敏感な反応を示している。(2)戸建感を醸成する各要素は、単位性の軸を中心に,接地性,領域性の観点より整理できる。(3)これらの各要素が戸建感にどの様に寄与するかは、要素の属するクラスタ-とクラスタ-相互の関係より概ね解釈が可能となった。(追加調査;集合住宅ファサ-ドに対する学生実験より、外面よりみた一住戸の把握の形態的特徴を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森保 洋之: "広島基町高層住棟型ファサ-ドモデル形態の視知覚的把握の被験者別特性についてー住宅の集合形態の視知覚的把握に関する建築計画的研究ー" 日本建築学会中国支部研究報告書. 第16巻. 209-212 (1991)
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[Publications] 森保 洋之: "広島基町・東京晴海高層住棟型ファサ-ドモデル形態の視知覚的把握の特性についてー住宅の集合形態の視知覚的把握に関する建築計画的研究ー" 日本建築学会大会学術講演梗概集. E. 225-226 (1991)
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[Publications] 森保 洋之: "戸建感醸成の観点よりみた集合住宅の計画に関する研究" 日本建築学会中国支部研究報告書. 第17巻. 341-344 (1992)
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[Publications] 森保 洋之、他: "住宅の集合形態の視知覚的把握に関する建築計画的研究" 日本建築学会中国支部研究報告集. 第17巻. 345-348 (1992)
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[Publications] 森保 洋之: "戸建感醸成の観点によりみた集合住宅の計画に関する基礎的研究" 日本建築学会大会学術講演梗概集. E. (1992)
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[Publications] 森保 洋之: "戸建感醸成の観点よりみた集合住宅の計画に関する研究(続)" 日本建築学会中国支部研究報告集 日本建築学会計画系論文報告集. 第18巻. (1993)