1990 Fiscal Year Annual Research Report
出雲地方における城下町及び町場の形成とその変容過程に関する研究
Project/Area Number |
02650442
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
和田 嘉宥 米子工業高等専門学校, 建築学科, 助教授 (90043603)
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Keywords | 城下町松江 / 武家屋敷明細帳 / 沽券帳 / 町場=在町 / 地銭帳 / 街区構成 / 変容過程 |
Research Abstract |
城下町松江の近世的都市構造の解析作業を進めているが、武家屋敷については近世資料「武家屋敷明細帳」の解読によって、この資料の全容を明らかにしながら.松江城周辺の武家屋敷の構成とその変容過程についての考察を行っている。松江城の東側に位置する内山下については「松江藩給帳」と照合しながら.その変容過程を明らかにしたが.現在,資料の整理を進めながら調査範囲を拡張している。 また.松江市街地の明治初期の都市構造を記す資料に「沽券帳」(明治6年)があるが、この資料の大要については以前報告し、近世城下町松江が近代化を迎える中で、その変容過程を知り得る貴重な資料であることを明らかにしたが.市街地中心部にある町人町末次について、現在屋敷地ごとに「沽券帳」に記載されている地価等を照合し.近代初期の町人町末次の都市構造を浮き彫りにしようとしているところであるが、この研究成果は今秋に報告するべく、準備を進めている。 なお、周辺部の町場については.近世資料(地銭帳等)によって.その概要を明らかにし.当時の町場=在町の街区構成を復元的に考察している。その中でも、代表的な町場の一つ今市(出雲市)については、町並みの復元とともに.町家の実測調査を地元の建築家の協力を得て行っている。また.代表的な町場の一つ平田(平田市)については、現存する三冊の「地銭帳」(正保4、明歴3.延宝9)によって、17世紀後半の町並みの変容過程を「正保ー延宝年間における在町平田(本町)の変容」と題して.この3月の建築学会中国支部研究報告会で発表したところである。
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