1991 Fiscal Year Annual Research Report
酸性雨pH範囲における方解石の溶解に関する速度論的研究
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02650448
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千田 佶 東北大学, 工学部, 教授 (10005499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 雄一 東北大学, 工学部, 助手 (90180562)
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Keywords | 溶解速度 / 方解石 / 活性化エネルギ- / 攪拌レイノルズ数 / 粘性率 / 弱酸性域 / 酸性雨 |
Research Abstract |
本研究では秋吉合石灰岩を希塩酸溶液に溶解させ、その際のカルシウムイオン濃度およびpHの経時変化を測定し、以下の結果を得た。(1)回転数が大きいほど、また温度が高いほど、初期溶解速度は大きい。(2)回転数700rpmにおける初期溶解速度をアレニウスプロットすることより求められた活性化エネルギ-は、みかけ上初期pH4の場合15KJ/mol、初期pH5の場合25KJ/molとなる。 以上の結果をもとに本研究では弱酸性域における方解石の溶解について、特にレオロジ-の観点から次のように考察する。水の粘性率は温度に依存し、その値は本研究における温度域である5℃および40℃では約2倍ほど異なる。よって回転数は溶液の流動状態を適当に表わしているとはいえない。そこでRes=Pd^2n/μで定義される攪拌レイノルズ数を用いて、溶解速度と攪拌との関係を整理する。ここでPは水の密度、dは代表長さ(攪拌羽根の回転直径)、nは回転数、μは水の粘性率である。その結果Res=7×10^4における初期pH4の初期溶解速度はごくわずかな温度依存性が認められるにすぎず、活性化エネルギ-は1KJ/molであった。この温度依存在の欠如は、方解石の溶解反応速度が境膜内の化学種の拡散速度より著しく大きいことを示唆している。また同様に初期pHSの場合について活性化エネルギ-を求めたところ12kJ/molを得た。これらの値はともにResを用いない場合よりも小さな値である。従来の研究において提案された活性化エネルギ-はいずれも溶液の粘性の温度依存性を無視しているがゆえに大きい結果を得ていることがわかった。また、初期ph5の活性化エネルギ-が初期pH4に比して大きいことから、pH5においては律速段階は化学種の拡散過程が支配的であるが、pH4よりも反応過程の影響を受けていることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] "Dissolution Mechanism of Calcite" T.Shibuya,Y.Niibori,N.Tsuchiya & T.Chida. A-2 (1991)
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[Publications] 渋谷 健,新堀 雄一,土屋 範芳,千田 佶: "弱酸性域における方解石の溶解速度" 資源地質学会誌. (1992)